保留にしていたバンド幅に、やっと手をつけました。内容が難しいのと、イラストが画伯級というので躊躇していました。
いつもの通り、随時更新させて頂きますので宜しくお願いします。
いきなりお断りですが、バンド幅は送信バンド幅と受信バンド幅に分類されます。
送信バンド幅は、スライスに関連します。
受信バンド幅は、次の3つに関連しています。 現在の私が理解できる範囲ですが・・・。
SNR、ケミカルシフトについては、クリックして別ページを参照してください。
そしてサンプリングは難しいので、ここでは割愛させてください。
よってここでは、送信バンド幅、スライスについて記載します。
送信バンド幅について
スライスの選択について
スライスを選択するには、次の要素が大切になります。
- 傾斜磁場(Z軸)
傾斜磁場をかけることで、例えば頭から足までの磁場強度が少しずつ異なるイメージを持ってください。
- 共鳴周波数[MHz]
共鳴周波数は、次の公式を思い出してください。
w = γ × B0
w:プロトン歳差運動の角周波数
γ:磁気回転比 プロトンの場合は、γ=42.6[MHz/T]
B0:静磁場強度
静磁場強度が1,5Tの時、共鳴周波数は約64MHzになります。
そして体軸方向に傾斜磁場がかかっているので、共鳴周波数も異なってきます。

上の落書きを参照してください。
例えば頭を撮像したいときは、約1.6Tに対応する68MHzのRFパルスをかけてあげれば、プロトンが共鳴することになります。
イメージ湧きましたか?
スライスの厚さについて
ではどの範囲にRFパルスをかければ良いか?
それがスライス厚になります。
このスライス厚を決定するには、次の要素が関連しています。
- バンド幅
結果から言います。ややこしいので、どちらか一方を覚えるのがオススメです。
狭いバンド幅 → スライス薄
広いバンド幅 → スライス厚
下の図は、傾斜磁場を一定としたときのバンド幅とスライス厚の関係を表した図です。

この図でイメージ湧きますか?
- 傾斜磁場強度
こちらも結果から言います。
強い傾斜磁場強度 → スライス薄
弱い傾斜磁場強度 → スライス厚
こちらも同様に図を描きました。バンド幅を一定とした時の、傾斜磁場強度とスライス厚の関係です。
