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小児腫瘍について

診療放射線技師の国家試験には、小児腫瘍関連の問題は比較的良く出題されている印象です。

62~70回までの試験を見直すと、4/9回出題されていました。
その中でも近年は良く出題されている傾向と思われますので、一度整理しておきたい内容となっています。

この記事を作成するにあたり、私が所有している書籍等にはあまり記載がなかったために、ネット検索で一つずつ作成しています。

中でも第70回の問題は、難易度が高いと思います。一つずつの疾患の好発年齢を覚えるような感じでしょうか。調べた限りでは、これといった特徴を掴むことはできませんでした。ですので70回の好発年齢については、記載していませんので、ご了承ください。

Contents

過去の国家試験に出題されたもの

70回 AM 58 好発年齢が最も高いのはどれか。
1.膠芽腫、2.骨肉腫、3.神経芽腫、4.Wilms<ウィルムス>腫瘍、5.Ewing<ユーイング>肉腫

69回 AM 61 小児に好発する脳腫瘍はどれか。
1.髄芽腫、2.髄膜腫、3.血管芽腫、4.下垂体腺腫、5.悪性リンパ腫

68回 AM 61 小児に好発する腎腫瘍はどれか。
1.腎細胞癌、2.転移性腫瘍、3.悪性リンパ腫、4.血管筋脂肪腫、5.Wilmsウィルムス腫瘍

67回 なし

66回 PM 25 成人と比較して小児に生じる頻度が高いのはどれか。
1.神経芽腫 、2.褐色細胞腫、3.転移性副腎腫瘍、4.原発性アルドステロン症 、5.Cushing〈クッシング〉症候群

65回 なし

64回 なし

63回 なし

62回 なし

 

小児腫瘍で抑えておきたい知識

 

特徴

  • 白血病や悪性リンパ腫以外は、大人での発生はまれです。生活習慣が原因と考えられる胃癌や肺癌などは少ないです。
  • 「芽腫」と呼ばれる腫瘍は、胎児の体内で残存した細胞が、異常な細胞に変化し、増殖した結果と考えられています。神経芽腫、腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、肝芽腫など。
  • 網膜芽腫やウィルムス腫瘍のように、遺伝性の疾患もあります。

 

好発の腫瘍

血液腫瘍 約50%

  • 白血病 小児がんのうち約40%。
  • 悪性リンパ腫 小児がんのうち約10%。リンパ節、脾臓、骨髄など、細菌やウイルスの排除などの免疫機能をつかさどるリンパ組織から発生します。全身のあらゆる部位に発生する可能性があります。

 

脳腫瘍 約20%

脳腫瘍の内訳として、グリオーマ(神経膠腫)が約半数で最も多く、胚細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫の順になります。

胎児性腫瘍 約20%

  • 神経芽腫 交感神経のもとになる細胞から発生する腫瘍で、副腎や交感神経節などから発生します。
  • 腎芽腫(ウィルムス腫瘍) 小児腎腫瘍の中で約90%。予後は比較的良好だそうです。
  • 肝芽腫
  • 網膜芽腫
  • 胚細胞腫瘍

 

肉腫 約10%

  • 骨肉腫
  • 骨軟部腫瘍(肉腫)
  • ユーイング(Ewing)肉腫
  • 横紋筋肉腫