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参考

消化酵素と消化管ホルモンについて

ここでは消化器関連について、記載したいと思います。都度更新していきます。

栄養素について

生命を維持するために必要な物質を外界から摂取することで、エネルギーを作ったり、体に必要な成分へ変えたりなど、様々な形で利用されます。この過程を栄養と言います。

通常は食物から摂取し、生命維持に必要な物質を栄養素と言います。栄養素は糖質、脂質、蛋白質、ミネラル、ビタミンの5種類に分類されます。

なかでも糖質、脂質、蛋白質がエネルギー源として重要であり、三大栄養素と呼ばれます。

栄養素

糖質(炭水化物)

糖を主成分とする物質の総称です。結合している糖の数により、多糖類(デンプン、グリコーゲンなど)、二糖類(ショ糖、乳糖など)、単糖類(グルコース、ガラクトースなど)などがあります。

主なエネルギー源であり、グリコーゲンとして貯蔵されます。余った分は脂肪に合成されて貯蔵されます。

脂質

中性脂肪(トリグリセライド)、コレステロール、リン脂質などの総称です。

エネルギー源であり、脂肪として貯蔵されます。細胞膜などの構成成分や、ステロイドホルモンや胆汁酸の生成にも利用されます。

蛋白質

細胞や組織の構成成分となります。

血漿蛋白、酵素、抗体などの生成に利用され、エネルギー源にもなります。

ビタミン

体内では構成されないため、外界より摂取しなければならない有機化合物です。補酵素としてなど、生体内での重要な反応に関わります。

ビタミンの欠乏症についてはこちらを参照してください。

ミネラル

生体を構成する元素のうち、酸素、炭素、窒素、水素以外の元素の総称です。

Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、P(リン)、Na(ナトリウム)、Fe(鉄)、Zn(亜鉛)、Cu(銅)などがあります。

骨、歯などの構成成分となります。また体液の浸透圧、酸塩基平衡の調節、酵素の働きに関わります。

消化酵素

三大栄養素は、食事中に含まれる高分子の形では吸収できません。ですから、消化管内の酵素の働きにより、低分子に分解されてから(消化という)、吸収されます。

消化酵素は、食事で摂取した糖質、タンパク質、脂質などを小腸で吸収しやすいように分解するのを助ける働きを持ちます。

糖質は、アミラーゼを中心とした消化酵素によって単糖類にまで分解されてから吸収されます。

蛋白質は、トリプシンを中心とした消化酵素によってジペプチドやアミノ酸まで分解されてから吸収されます。

脂質は、リパーゼによって、グリセリンと脂肪酸によって分解されます。その後、胆汁酸で加工(ミセル化)され小腸で吸収されます。

消化液 消化酵素 基質 分解産物
唾液 アミラーゼ デンプン デキストリン
マルトース
胃液 ペプシン 蛋白質 ポリペプチド
オリゴペプチド
膵液 トリプシン 蛋白質、ポリペプチド オリゴペプチド
キモトリプシン 蛋白質、ポリペプチド オリゴペプチド
膵アミラーゼ デンプン オリゴ糖
膵リパーゼ トリグリセリド 脂肪酸
グリセリン
カルボキシペプチダーゼ 蛋白質 アミノ酸
腸液 アミノペプチダーゼ 蛋白質 アミノ酸
ジペプチダーゼ ジペプチド アミノ酸
マルターゼ マルトース グルコース
ラクターゼ ラクトース グルコース
ガラクトース
スクラーゼ スクロース グルコース
フルクトース

 

消化管ホルモン

消化管の分泌と運動を司っているのは、消化管から分泌される消化管ホルモンです。

消化管ホルモンは、消化液や他の消化管ホルモンの分泌、括約筋のコントロールをするなどの役割があります。

ガストリンは、下部食道括約筋を収縮、幽門括約筋を弛緩させ、胃内容物の食道への逆流を防ぎ、小腸への流入を促します。

セクレチンは、幽門括約筋を収縮、オッディ括約筋を弛緩させ、腸管内への膵液分泌促進と、膵液の胃への逆流を防ぎます。

代表的な消化管
ホルモン
分泌部位 主な作用
ガストリン 胃幽門前庭部と十二指腸上部 胃酸、ペプシノゲン分泌促進
胃壁細胞増殖
胃運動促進
下部食道括約筋収縮
幽門活躍筋、オッディ活躍筋弛緩
セクレチン 十二指腸(特に球部) 胃酸分泌抑制
膵液の分泌促進
胆汁の産生促進
幽門活躍筋収縮

セクレチンは、膵管に働いて、重炭酸に富んだ膵液を分泌させ、胃酸の中和も行っているそうです。