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MRの安全性について

MRIの安全性については、何よりも大切な知識だと思います。事故を起こさないことが一番大事です。

参考図書

静磁場コイルに関連する安全

現在臨床で使用されている静磁場強度は大きくて3,0Tです。3,0T以下だと静磁場そのものが生体に悪影響を及ぼすことはないそうです。 静磁場で問題になるのは、力学的作用です。静磁場の力学的作用には、索引力と回転力があります。

ミサイル効果

持ち込まれた強磁性体(酸素ボンベやストレッチャー等)は、ミサイルのように飛んでしまいます。

トルク

磁性体の長軸を静磁場方向へ向ける力のことを言います。もし治療などで体内に強磁性体がある場合は、このトルクが原因で重大な事故が発生してしまう可能性があります。 過去には次のような事故が報告されているそうです。

  • 強磁性脳動脈瘤クリップの逸脱
  • 眼球内の鉄片が移動しての硝子体出血と網膜裂創による失明

持ち込み制限

MR室内に持ち込めないものには、それぞれ次のような理由があるからです。

人体へ危険を及ぼす、MR装置に影響を与える

酸素ボンベ、ストレッチャー、車椅子、輸液ポンプ、点滴スタンドなど

磁場の影響で故障する

磁気カード、時計、補聴器など

アーチファクトの原因となる

ヘアピン、クリップ、入れ歯、チャックなど

傾斜磁場コイル

傾斜磁場の生体への影響は、騒音と誘導電流による影響が考えられます。

騒音

MRIの騒音の原因は、傾斜磁場コイルが振動するからです。静磁場と傾斜磁場コイルに流れる電流により発生する電磁力が関連しています。(フレミングの左手の法則)

この騒音は、MR寝台上で140dBを超えるピーク音圧レベルの騒音を生じてはならないと規定されています。またピーク音圧が140dB以下であっても、99dB(A)を超える可能性がある場合は耳栓や耳当てなどの処置をとる必要があります。

誘導電流による影響

傾斜磁場をon-offすると、誘導電流(dB/dt)が流れます。この誘導電流が細胞(心筋細胞、神経細胞、網膜細胞など)を興奮させることが問題になります。最も閾値の低い磁気閃光(網膜細胞の変動磁場による興奮)を警鐘と考えるべきと言われております。

また誘導電流による体内デバイス(心臓ペースメーカー、体内自動除細動装置など)への影響もあります。誤作動や機能不全になる恐れがあります。

RFパルスコイル

発熱

渦電流により、ジュール熱が発生します。 心臓、腹部や腰椎などの体幹部の検査では、体が暖かく感じることがあります。これがRFパルスによる影響で、SARで評価されます。 SAR[W/kg]は、熱吸収比と言われます。単位重量あたりの熱吸収比で表されます。 RFパルスが人体に障害を及ぼす可能性は低いですが、時には局所的に温度上昇が起こり、火傷を負うことがあります。

火傷

  • ループの形成(ケーブル、手や足)

ループを形成するとコイルとして作用し、誘導起電力を発生する可能性があります。

  • 貼付剤

一部にアルミニウムが使用されていて、この部位に火傷を起こす可能性がります。 一部の湿布、ニトロダーム、ニコチネル

  • カラーコンタクト

カラーコンタクトの着色部分は、チタンやアルミなどの金属で構成されているそうです。そのため、アルミが発熱することで火傷をおってしまう危険があります。