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MRの造影剤について

MRIの造影剤についてざっくりまとめてましたので、参考にしてください。

参考図書

概要

静脈内に投与するGd造影剤と経口造影剤があります。

これら造影剤で用いられる各イオン(Gd ^3+、Fe^3+、Mn^2+)は、常磁性体です。そして次のような緩和時間短縮効果を示します。

低濃度の場合 → T1短縮効果があり、T1強調像で高信号となります。

高濃度の場合 →T2短縮効果があり、T2強調像で低信号となります。

また各イオンは常磁性体であるため、磁化率効果によりT2*短縮効果もあります。

Gd造影剤

Gdイオン(Gd ^3+)は体内に吸収されると毒性が強いため、キレート化と呼ばれる処理が施されています。これは体内に吸収されないようにし、一定時間内に体外へ排泄されるようにするための処理です。

キレート化の構造には、線状型と環状型のものがあります。環状型の方が安定しており、原則的にはこちらが使用されています。

※キレートの線状型構造は、不安定であると言われています。脳内に蓄積されるという報告もありますので、各自調べて下さい。

重要な副作用に腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fibrosis:NSF)があります。

腎性全身性線維症(nephrogenic systemic fibrosis:NSF)

全身性皮膚疾患のことです。通常、四肢と体幹に左右対称に見られます。

NSF患者のほとんどで重篤な腎疾患が認められますが、中等度の腎機能障害でも数例報告があるそうです。

発症:造影剤投与から2~3ヶ月後、時に数年
初期症状:疼痛、痒み、腫脹、紅斑、通常は下肢から発症

経口造影剤

2種類あり、陰性造影剤と考えて良いと思います。

  • ボースデル 塩化マンガン(II)四水和物
  • フェリセルツ クエン酸鉄アンモニウム製剤

※勉強会で聞きましたが、パイナップルジュースも陰性造影剤として使用できるみたいです。

細胞外液性Gd造影剤

Gdイオン(Gd ^3+)を静脈内に注入すると、全身の血管や細胞間隙に非特異的に分布します。尿から排泄されます。

肝特性性造影剤(EOB)

第65回 午前30より

 

従来の細胞外液性Gd造影剤が、肝細胞に特異的に集積するようにした造影剤です。

静脈内投与後、通常の細胞外液性Gd造影剤と同様に、血管内および細胞間隙に非特異的に分布します。その後肝細胞に取り込まれ、胆道系から排泄されます。約6割が尿で、約4割が胆道系で排泄されるそうです。

血流評価をダイナミックで行うことができ、対象病変の肝細胞機能(EOBの取り込み)も評価することが可能です。

投与後20分後くらいから、肝細胞造影相の撮像が可能です。そして造影効果は120分程度持続するそうです。

造影後の脂肪抑制T1Wでは、

  • 正常肝 → 造影剤を取り込み、T1短縮効果の影響で、高信号。
  • 肝細胞癌や転移性肝癌 → 造影剤を取り込まないため、低信号。

となります。

肝特異性造影剤(SPIO)

SPIO(superparamagnetic iron oxide)は、超常磁性酸化鉄微粒子のことです。静脈内に投与された後は、肝臓のKupffer細胞に取り込まれます。

T2短縮効果が強く、陰性造影剤として利用されます。またKupffer細胞に取り込まれたSPIOは、細胞内に集積し強力な常磁性体となり周囲の局所磁場を乱し、さらにT2*緩和時間を短縮します。T1短縮作用は低下します。

Kupffer細胞を有する正常肝、Kupffer細胞を持たない悪性腫瘍(肝細胞癌、転移性肝癌など)を診断するのに有用です。

T2Wにて、

  • 肝細胞癌や転移性肝癌 → Kupffer細胞がないため、高信号。
  • 正常肝 → Kupffer細胞が造影剤を取り込み、低信号。

となります。

排泄に関しては、腎から排泄されることがないので、腎機能の制限がないそうです。
肝臓を介して、赤血球などに取り込まれ、排泄されるそうです。