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MRAについて TOF法とPC法

MRAについて(国家試験に必要なレベル?で)記載しておりますので、参考にしてください。

参考図書

 

血管(流れ)のMRIは、さまざまな原因により高信号にも低信号にもなります。その原因はざっくり3つに分けられます。

  1. TOF効果
  2. スピン位相効果
  3. 飽和効果

少し追記しておきます。参考図書よりいくつか抜粋してます。

高信号になる原因

  • 流入効果
  • 拡張期偽心拍同期
  • 心拍同期
  • 流速補正法

低信号になる原因

  • 高速度信号損失
  • スピン位相効果
  • 乱流・渦流
  • 空間飽和・反転パルス
  • 飽和効果

血管内の流れ

  • 栓流 説明用
  • 層流 理想的な流れ
  • 乱流 速さと方向が常に変動する流れ。分岐部、拍動流、狭窄部遠位など
  • 渦流 渦巻き状の流れ。比較的流速の遅い部位で見られる。狭窄部遠位、動脈瘤辺縁部など
  • 拍動流 周期的に流速が変化します。

TOF法

TOF(time of flight)法で得られる画像は、血管が高信号&背景組織が抑制されている画像になります。下の画像は、過去問より。

血管を高信号に描出するために

GRE法で撮像し、流入効果を利用します。

血流の位相分散による信号低下を少なくするために、TE短縮したり、流速補正法(FC:flow compensation)を用いたりします。

流入効果を用いているため、断層面に垂直に流入する血管の描出に優れています。一方で断層面に平行に走行する血管の描出は不良になってしまいます。

背景組織を抑制させるために

大きく2つの技術が使われていると思って下さい。

一つ目は、TR短縮とフリップアングルをやや増加することで、TR内の縦磁化の回復を遅らせます。(飽和効果)※フリップアングルについては、ここでは触れません。

流速の低い血流もパルスをたくさん受けて飽和効果となり、信号が低下してしまう可能性があります。また3D撮像では、スライスの流出側の血管内に飽和効果が出やすいです。

二つ目は、MTパルスもしくは脂肪抑制を併用して背景信号を抑制します。

頭部MRAでは、MTパルスを併用して脳実質の信号を低下させます。注意としてMTパルスは、脂肪信号を抑制する効果はなしと思われます。高速SE法の特徴を思い出して下さい。

頭部以外では、脂肪抑制法を併用し、脂肪が多い血管外信号を低下させます。

注意としては、背景組織が必ず抑制されるわけではないということです。静止組織にとってはT1Wとなるため、粘稠な液体や血腫などは高信号になります。

PC法

PC(phase contrast)法は難しいですが、国試に良く出ますので概要レベルで説明します。

2回画像を撮像し、差分することで欲しい画像が得られます。

例 流速補正法を使った血管高信号 ー 流速補正法を使わない血管低信号

PC法の特徴は、流速に対して定量性が高いということです。国試ではここが出ます!流速や流れの方向がわかるなどです。

デメリットはペアデータが必要なので、撮像時間が長くなり、体動に弱いということです。

このPC法に用いられている技術が2つあります。

  • 双極磁場勾配 BPG(bipolar gradient)

正負のローブが同じ一対の磁場勾配をかけます。この傾斜磁場で位相変化を捉えています。

  • VENC

あらかじめ目的とする血管の流速を推定し、BPGの強度と印加時間を調節してVENCを設定する必要があります。