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診療放射線技師ってどうなの?

国家試験も終わり、卒業シーズンの到来ですね。
私も卒業式、謝恩会のお誘いを頂きましたが、お断りさせて頂きました。スミマセン。

その代わりといっては何ですが、メッセージを送ります。

国試がうまくいった方、うまくいかなかった方、卒業できる方、卒業できない方、診療放射線技師を目指す全ての方に読んで頂けたらと思います。

そしてこのメッセージは、私の個人的な見解が多く含まれます。

このメッセージには次のような、私の背景が関わっていることをご了承ください。

  • 一部上場企業で、3年間サラリーマンやってました。
  • 中小病院で、技師6年が経過します。
  • 技師会や勉強会にそれなりに参加して、色々な方とお話しさせて頂きました。
  • 非常勤講師として、指導することもあります。
  • 子供が2人いて、共働きです。

そしてこのメッセージは、批判を受けるのを覚悟で書きます。それくらい真剣です。

うまくまとまっていないこともあります。なぜならその答えは私自信が模索中だからです。

しかしこのメッセージで、診療放射線技師もしくは目指している方に、何かしらの考えるきっかけになれば良いなと思っています。

 

Contents

診療放射線技師の現状

診療放射線技師や画像診断について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?

  • 画像診断は現代では必須であり、
  • 診療放射線技師はなくてはならない存在である。
  • だから給料などの待遇も良いだろう。
  • そして将来も安泰だろう。

こんなイメージはありますか?

結論から言います。

私は半分正解で、半分不正解だと思っています。

正解の部分は、画像診断についてです。

画像診断については、

  • 大きな病院でガンを見落としたことがニュースになっている
  • 診療放射線技師が読影の補助ができるようになった

ことからも、大切なものだと思います。患者さんのために、病気を見つけるもしくは否定するために必須のものであると思います。

 

そして残念ながら他の3つが、不正解となります。

  • 診療放射線技師はなくてはならない存在である。
  • だから給料などの待遇も良いだろう。
  • そして将来も安泰だろう。

まず現役の診療放射線技師の方で、現在の仕事内容や待遇に満足している人はかなり少ないと思います。

ゼロではないと思いますが、少ないことは確かだと思います。

自分の子供が、診療放射線技師になりたいと言ったら、まずは反対すると思います。

そう思う理由や根拠について、書きたいと思います。

診療放射線技師ってどうなの?

診療放射線技師はなくてはならない存在?

皆さんが国家試験のために勉強したことは、決して簡単なものではないと思います。

しかし実際の現場では、知識がなくても、免許さえあれば仕事として成立してしまうのが事実です。

このようにただスイッチを押しているだけの、スイッチマンも多くいると思います。

  • レントゲンはこの角度にして、撮影条件は設定してあるボタンを押して、スイッチを押す。
  • CTやMRIは患者さんを寝かして、このボタンを押して、次のボタンを押して検査する。

というのもこのように検査が行えるのは、技術の進歩があるからです。

患者さんが被害を被らないように、安全に検査が行えるようになりました。

そしてこの技術の進歩が、次のようになるのは想像がつくのではないでしょうか?

  • 診療放射線技師でなくても、撮影可能

柔道整復師がレントゲンを撮影できるようになるorなりそうであることは事実です。

フィルム時代の撮影条件などについては、一度は先輩からお話を聞いたことがあるのではないでしょうか?

それがイメージングプレートやフラットパネルの登場により、撮影条件がそこまでシビヤでなくなりました。

画像処理の技術も進歩していることから、撮影したけど画像にならないということがなくなりました。

このように技術が進歩し機器が良くなったので、機器導入時に撮影条件を設定しておけば、画像を作ることが可能になりました。

 

さらには医師の数が増えたり or 医師の業務がお手すきになったら、医師が検査すれば良いことになります。撮影条件や機器の知識は必要ありませんから。

さらに機器が発達し、検査自体がもっと安全に簡単にできるようになったら、看護師さんや事務さんでも検査可能になることが予測されます。

AIやロボット技術も進化しています。このような時代の流れに逆らうことはできません。

つまり診療放射線技師でなくても、技術が進歩し続けている現代では、誰でも検査ができるようになることが、簡単に予測できます。

逆に新たな仕事が産まれることも予測できますけど、ここでは割愛します。

 

  • 診療放射線技師がいなくても、撮影可能

マーゲンの検査現場を見たことはありますか?
マイクで指示をして、検査する人に動いてもらうアレです。

その指示を出して撮影することが、胸部レントゲンやCT撮影にも応用できると思いませんか?

例えば、地方の施設で診療放射線技師がいなくても、機器を設置してくれたら、メーカー側で撮影しますよみたいな。

撮影するのは、もちろん診療放射線技師です。
ただし、実際にその場にいなくても遠隔で撮影が可能になります。

MRIは事故の観点からも、もう少し先になると思われますが、遠い将来ではないと思います。

法律的にどうなのかは知りませんが、技術的には可能なお話しだと思います。

このことから、機器を導入する側から見ると、診療放射線技師を雇わなくても検査が可能になることになります。(メーカー側で必要とされる診療放射線技師が増えるかもしれませんが)

給料や待遇も良いだろう?

これは施設により異なると思いますが、決して良いとは言えないと思います。

就職活動を行った人は分かると思いますが、自分が希望する条件を全てクリアする施設はないと思います。

選ばなければ就職はあるけど、落としどころを設定して決めるみたいなイメージでしょうか。

2018年夏に私も転職を考え、活動しました。現在の職場は自宅から近い、日程の融通が効く、副業OKという特徴があるため、結局転職は断念しました。

その際に色々と検討させて頂きましたが、給料が大きく上がるということはありませんでした。もう相場が、ある程度決まっているような感じです。

あとは資格取得や夜勤の手当を積み上げて行き、給料を上げることになると思います。

 

ただ最近では、私の考え方に変化があります。

それは診療放射線技師という職業は、高給は期待できないけど、生活できるだけの収入を稼ぐには良い職業である。

そう思ってます。
特に女性の出産後のパートとしては、最適であると思っています。

これは私の施設だけかもしれませんが、自宅から近い、日程の融通が効く、副業OKです。

子供の行事や妻の仕事の関係で日程調整も可能です。
休日は技師のバイトや趣味に没頭できます。

稼ぐなら定時後、もしくは休日に、何かを行えば良いのだなと思っています。

※技師のバイトも段々と時給制になってきています。でもコンビニやファーストフードより単価は高いですよ。これが資格のメリットと感じています。

 

技師会へ参加して、大学病院や公務員等の方に話を聞いて、私の大きい病院に対するイメージは次の通りです。

  • 定時内は検査、定時後は画像処理やファントムを撮影する
  • 公務員は副業できない
  • ボーナスは良い
  • 通勤がスーツ指定
  • 臨床より、機器や原理に強い
  • (逆に民間では、機器や原理よりも病気を見つけたりする方が得意)
  • しっかりとした教育が行われるが、成長が遅い
  • (逆に民間では、やって慣れる的なイメージ)

 

将来も安泰だろう?

公務員や大学病院等に入職できたら、安泰でしょうか?

私の昔話ですが、大学卒業後の入社先として東芝やシャープ等は花形企業でした。

しかしそんな大企業でも、数年後には経営破綻しました。

このことから、どんない大きな企業や公務員になろうと完全に安泰とは言えません。

現在、国としては医療費の高騰が問題となっていることはご存知だと思います。
このことから診療放射線技師だけでなく、医療業界全体がどうなるかも分かりません。

こんな時、自分たちの職業を守ろうとする職能団体である日本放射線技師会が出てきます。

日本放射線技師会について

こちらもカワシマの思っていることを書きます。批判覚悟です。

私は診療放射線技師になったら、入会するものだと思って入会しました。
最初の3年くらいは、勉強会に参加したり、学会などで座長や演者も数回やりました。

 

技師会に入会しようと迷っている方も、最初の数年は勉強したり、交流を深めたりするためにも、入会するのはオススメです。

ただし5年目以降は、自分で判断するで良いと思っています。

 

そんな日本放射線技師会が、診療放射線技師の仕事を守ろうとするために目指しているものがあります。

れは

診療放射線技師の国会議員を輩出すること

です。

医師やコメディカルを医療職種で国会議員がいないのは、診療放射線技師だけです。

医師や看護などは、職能団体+政治的な協会 があります。

どの職種もこのような団体に全員が入会しているわけではありませんが、母数が多いため会員数が多いという状況です。

そして国会議員を輩出して、自分たちの職を守るための法案を通すみたいな感じです。

 

放射線技師会もこれを見習って、診療放射線技師を増やそうとしています。

具体的には、大学の新規増設 +  高学歴化 です。

大学の新規増設は分かりやすいと思います。

ではなぜ高学歴化?と思うでしょう。

それは、皆さんが受験した国試の問題を作成する組織に介入するためです。

もっと現実的な試験問題にしようと試みであると思います。

私はこの方針が理解できないために、技師会を脱会しました。
就職状況が決して良くない現状なのに、同じような境遇の人を増やそうとしているのです。

これと同様のことが教育機関でも同じようなことが起こっています。
教員にも、修士や博士の取得を勧めています。

私は技師会や教育機関が、時代の流れと完全に逆行しているとしか思えません。

こう思うのも私には、サラリーマン時代の経験があるからです。

私は私大の理工学部卒業で、入社しました。同期は100人です。
中には、東大・京大・その他国立大学・有名私大の修士や博士もいました。

このような高学歴の方々は、ほとんど半導体部門を希望してました。

その半導体部門は、数年後に他社に売却されました。さらに翌年には、その他社から中国企業に売却されました。

中国でも何処でも、半導体をやりたいというのなら、もちろんそれはOKだと思います。

しかしこの事実を私は、ネガティブに捉えました。

東芝やシャープ等の件は、先ほど記載しました。

そんな誇らしい学歴や有名企業に入社しても、会社の業績や経営方針、そして時代の流れには逆らえないということを目の当たりにしてきました。

もっと言いますと、自分より偏差値が低い高校に行った人、無名の大学に行った人たちが企業して社長になっている人もいます。

時代の流れを見ても、1度入社して、終身雇用で、どんどん昇給して、退職金もたくさん貰えるなんていう話しは無いと思います。

こういった経緯を経験しているから、学歴では無いと強く思うのですが、現在携わっている団体や教育機関が、このような学歴重視になっていることが残念でなりません。

 

将来を見据えて

ではどうすれば良いのでしょう?

こんなに長文を書いておきながら、最終的な答えはないと思っています。
私自信、模索している最中です。

未来は分かりませんし、どうなるかわかりません。

しかし確実に言えることがあります。

大切なのは診療放射線技師として、どこの病院や企業に属しているかではありません。

困難が予想される将来に向けて、個人がどのように考え、選択・行動するかだと思います。

診療放射線技師としての勉強も大切ですけど、それだけでなく社会や時代の流れについても勉強してください。

社会や時代の流れをしっかり見て、考え、流れに逆行しないで、うまく乗れるかが大切だと思っています。

 

私の思っている事全てではありませんが、長々と書きました。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

うまく伝わったか分かりませんが、ご意見やコメントなどがあればお問い合わせ or twitterからお願い致します。