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日常点検や点検項目など

CTやMRIの日常点検や点検項目などについて、国試レベルで記載します。

参考図書

Contents

CT装置の日常点検

CT装置の安全な動作、性能の信頼性、保全性を得るためには日常の点検、および定期的な保守が必要とされています。(定期的な保守については割愛します。)

日常点検は、始業点検・終業点検が中心になると思います。

始業点検の目的は、機器が使用状態に入る前に正常な状態にあることを確認することです。そして実施した結果を記録するこが大事となります。また始業前の10〜15分程度で行うことができることが重要です。

点検項目については、次を押さえておけば良いと思われます。

  • 環境の維持 → 室温や湿度をチェックします。電子部品は、室温が10℃上がると寿命が半減すると言われているそうです。
  • ガントリおよび寝台の動作チェック → 異常な音が鳴ったり、動作しないかなどをチェックします。
  • 水ファントムのスキャン → スキャンした画像に異常なアーチファクトがないか。また得られた画像よりCT値、画像SD(ノイズ)を測定し、記録します。
  • X線管のウォーミングアップ → 長時間使用していない時などは、X線管のウォーミングアップを行うことでX線管の安定化と寿命の延長につながります。

MRI装置の日常点検

2012年6月 JIS Z4952「磁気共鳴画像診断装置-第1部:基本画質パラメータの決定方法」として刊行されているそうです。

  • 信号ノイズ比
  • 均一性
  • 2次元のスライス厚
  • 2次元幾何学的歪
  • 空間分解能
  • ゴーストアーチファクト

CT装置の受入試験と不変性試験

これらは安全管理に関する規格としてJIS規格化されたものです。

受入試験は、製造メーカおよび使用者が契約仕様を満たしているか否かを確認することです。

不変性試験は、使用者が機器の性能が設定基準を満たしていることを確認します。また機器の構成要素の性能変化を早期に発見するために実施します。

国試に良く出る試験項目と不変性試験における測定頻度については次のとおりです。

  • 患者支持器の位置決め 1回/年 少なくとも3ヶ月に1回
  • 患者位置決め精度 1回/年 少なくとも3ヶ月に1回
  • スライス厚(半値幅:FWHM) 1回/年 少なくとも1ヶ月に1回
  • 線量(CTDIw、CTDIfree air) 1回/年 少なくとも半年に1回
  • ノイズ、平均CT値、均一性 1回/年 少なくとも1ヶ月に1回
  • 空間分解能(MTF) 1回/年 少なくとも3ヶ月に1回

※この記事を投稿してから知りましたので追記です。測定頻度については1回/年に変更になったと思われます。変更された日程等の詳細は把握しておりませんが、ご了承下さい。2022/8/13