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免疫関連について

免疫関連について、極力まとめていきます。

また更新していきます。

免疫系について

免疫は、自己から見て異物を、「非自己」とみなし攻撃や撃退することを言います。免疫反応は、この非自己を撃退することで正常な状態を保とうとします。

しかしこの機能がうまく働かない場合に、異常が生じてしまいます。

この異常は易感染性、アレルギー、自己免疫疾患、悪性腫瘍などと関連があります。

この免疫系には中心となる臓器が存在するわけではなく、白血球、リンパ組織、抗体など多くの器官、組織、物質が複雑に関わりあって構成されています。

免疫系の構成

免疫細胞

免疫細胞は、骨髄の造血幹細胞から末梢血、末梢組織へ移行する過程で作られます。

造血幹細胞の特徴は、次の通りです。

  • あらゆる血球に分化することができます。
  • 自己複製によって数を保っています。

その造血幹細胞から、末梢へ移行する際は、まず骨髄系前駆細胞、リンパ系前駆細胞へ分化します。

骨髄系前駆細胞

顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、マスト(肥満)細胞、単球を経由してマクロファージなどが分化します。

リンパ系前駆細胞

リンパ球(B細胞、T細胞、NK細胞)が、B細胞はさらに分化し形質細胞となります。

B細胞は骨髄で成熟しますが、T細胞は胸腺内で成熟します。

免疫に関わる物質

免疫システムでは、免疫細胞と密接な関係をもつ抗体、補体、サイトカインが重要な役割を担っています。

抗体

B細胞(形質細胞)で作られます。抗原と特異的に結合して、免疫反応を起こし、液性免疫の中心となります。

補体

自然免疫系で、炎症の促進や病原体の排除など直接的・間接的に異物排除に働きます。

サイトカイン

細胞間の情報伝達に関わる物質の総称のことです。白血球間の情報伝達にはインターロイキン、抗ウイルス作用にはインターフェロン、腫瘍壊死因子には抗腫瘍作用などがあります。

リンパ組織

免疫反応の主な担い手であるリンパ球の大半が存在する。リンパ組織には1次リンパ組織と二次リンパ組織がある。

一次リンパ組

リンパ球の発生・分化・成長の場である。骨髄ではB細胞の分化・成熟。胸腺では、T細胞の分化・成熟。

二次リンパ組織

異物に対する特異的免疫応答の場(リンパ球の増殖、抗体産生など)である。脾臓は血行性、リンパ節はリンパ行性、粘膜関連リンパ組織は粘膜から入り込んだ抗原に対する防御を行なう。