引き続き画像関連について、腹部を中心にピックアップします。
だーっと書いたので、まとまっていませんが宜しくお願い致します。
直前で申し訳ありません。
解剖(上腹部)
解剖問題では上腹部が一番出題されている印象です。もう一度確認して下さい。


第69回 撮影技術学 午後の90より問題、解説を抜粋。

Dは、造影されている箇所が見られないので単純撮影(造影前)と思われます。
Bは、大動脈が濃染されていますが、肝の血管や脾臓が造影されていません。早期動脈相と思われます。
Aは、大動脈が濃染されています。肝の血管や脾臓も造影されています。後期動脈相と思われます。
Cは、大動脈や臓器がほぼ均一に濃染されています。肝内の血管がやや濃染されているようにも見えますので、門脈相もしくは遅延相と思われます。
解剖(下腹部)
69回 撮影技術学 午前の92より、解説を抜粋します。

この骨盤レベルの画像は良く出題されている印象です。
この問いに有効なのが、サジタルの画像を思い出すことです。
女性の場合、下の図の青点線を見てください。
この画像をアキシャルにすると、前から膀胱・子宮(頸部)・直腸の順になります。

男性のサジタル像は見つかりませんでしたので、得意のイラストを描きました。全然分かりませんね・・・。
想像力でお願いします。この問題は、膀胱が入らないで前立腺と直腸レベルの画像問題でした。

解剖(血管)


腹腔動脈は、右の肝臓に行ったり、左の脾臓に行ったりします。
だから横に広がるイメージです。
では上腸間膜動脈は?
小腸や一部大腸を栄養します。だから縦長のイメージですよ。


オレンジ矢印の血管は分かりますか?
血管造影ですけど、動脈ではありません。
門脈です。大抵は上腸間膜動脈を造影して、小腸や一部大腸に行き、その後門脈が造影されたタイミングの画像です。
VR画像とMIP画像の違いはこんな感じです。


第69回 撮影技術学 午前 91 の問題、解説を引用します。

ア内腸骨動脈 イ総腸骨動脈 ウ外腸骨動脈 エ総大腿動脈 オ浅大腿動脈
解剖(MRCP)

解剖(透視、TV、レントゲン)
第69回 撮影技術学 午後 89より問題、解説を抜粋。

画像と撮影体位の組み合わせは、経験していないと解答するのは困難であると思います。
ただ、この画像では違ったアプローチが可能です。次の2点から、解答することも可能であると思います。
- 椎体を見る
画像上椎体が右を向いてます。右を向く=右が後ろに来るので、第2斜位になります。
- バリウムの位置を見る
バリウムは胃の下の方にあります。これは半立位もしくは立位の画像になります。
では次はどうでしょう?
椎体とバリウムを見ます。

次の画像は、前壁の腹臥位です。バリウムが上部にありますので、頭低位です。

ここまで来ながら注意事項です。
胃の解剖的に背臥位正面、第1斜位、第2斜位、振り分けではバリウムは上部(穹窿部)に溜まります。
それ以外の体位(半立位とか腹臥位)では、バリウムの位置を見ることが有用です。

注腸の背臥位と腹臥位は分かりますか?
こんな感じです。


疾患

閉塞性黄疸という疾患があります。
※今後新たな記事を作成予定です。
本来は胆汁から分泌されるはずのビリルビンが、何らかの原因で排泄されずに発症します。
胆汁で排泄されないと、総胆管の拡張、肝内胆管の拡張などが起こり、血中に出てしまう疾患です。

検査時に皮膚が黄色くなっている人を時折見かけます。
その主な原因は、総胆管結石と膵頭部腫瘍です。

膵頭部腫瘍の場合は、膵管が拡張することもあります。

第66回 撮影技術学より問題・解説を抜粋。
86 頸動脈性造影CT 像を示す。正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1.AはCTAP である。
2.腹水貯留を認める。
3.門脈閉塞を認める。
4.食道静脈瘤を認める。
5.腹腔内出血を認める。

削除された問題です。が参考までに。
1.AはCTAP である。→Aで濃染されている箇所は、病変のように見えるのでCTAと思われます。BがCTAPと思われます。
2.腹水貯留を認める。→認めます。
3.門脈閉塞を認める。→門脈が閉塞している場合、CTAPで正常肝も濃染されません。
4.食道静脈瘤を認める。→認めます。
5.腹腔内出血を認める。→出血は明らかではないと思われます。

問題には頸動脈性とありますが、経動脈性と捉えて説明します。
CTAP:経動脈性門脈造影CT
上腸間膜動脈から造影剤を注入し、造影剤が門脈から肝臓に流入するタイミングでCTを撮影します。
CTA:肝動脈造影CT
総肝動脈から造影剤を注入して、CTを撮影します。
肝細胞癌はほぼ肝動脈から栄養を受けています。
よって肝細胞癌は、CTAでは造影剤で濃染されます。
一方、CTAPでは門脈の血流動態が分かります。正常の肝は門脈で濃染されますが、肝細胞癌は濃染されないということになります。
CTA、CTAPの利点として、通常の造影CTではっきり抽出されない病変も明瞭に抽出することが可能です。
ニボーは良く聞くと思いますが、イレウスを疑うサインです。
