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ヘリカルCTについて

ヘリカルCTについて、まとめてみました。

私が技師になってから、2022年2月時点で各メーカーやスペックのCTを使用させて頂いております。

現在の主流である第3世代が中心ですが、過去には第2世代だと思われる装置も使用していました。

COVID-19の影響もあり、胸部CTの件数は増加傾向です。ここではヘリカルスキャンについて国試に関連する事項を中心にまとめてみたいと思います。

参考文献として、以下のものを主に使用してます。

第1世代 Translate/Rotate・ペンシルビーム・検出器1個
第2世代 Translate/Rotate・ナロウファンビーム・検出器5~30個
第3世代 Rotate/Rotate・ファンビーム・検出器500~800個
第4世代 Stationary/Rotate・ファンビーム・検出器600~2400個

現在は、第3世代が多く採用されています。
第4世代は、検出器が円周上に多く配置されているためコスト面やコリメーションの影響で散乱線の影響が問題だそうです。

ヘリカルスキャンについて

ヘリカルスキャンは、データをらせん状に取得します。

ヘリカルスキャンの最大の特徴は、広範囲を短時間で撮影することが可能であることです。

このヘリカルスキャンを可能にするには、以下の要素が大事になります。

  • X線管球が照射しながら、連続回転する
  • 寝台が連続移動する
  • 補間処理が可能である

X線管球が照射しながら、連続回転する

X線管球が連続回転するには、スリップリングが欠かせません。

スリップリングとは、X線を出力するために必要な高電圧発生装置に、電力を供給するものです。

以前は高電圧発生装置に電力を供給するために、ケーブルを使用していました。そのためガントリの回転には制限がありました。

しかし現在では、小型化されたスリップリングがガントリ内部に組み込まれているため、ヘリカルスキャンが可能になりました。

またX線管球には、冷却効率ができるだけ高いことも求められます。

自施設の64chのCTでも、管球が熱いと高管電流が出力できない時があります。
昔の装置ですと撮影中に、wait timeが頻繁に発生します。Dynamicの造影中でもwait timeが発生していたと聞きます。

逆にX線管球が冷めていても、高感電流は出力できません。
検査をしない時間が長い時は、管球のウォームアップを行います。ウォームアップすることで、管球の負荷を減らすことが大切です。

寝台の連続移動(ピッチファクタ)

ヘリカルスキャンは、撮影中に寝台が連続で動きます。

どれくらいの速さで動くのかを表すのが、ヘリカルピッチ(ディテクタピッチ)と呼ばれるものです。

シングルスライスの時は、ヘリカルピッチと呼ばれていました。現在ではマルチスライスが主流であり、ピッチファクタやビームピッチと呼ばれます。

ビームピッチ  = 1回転当たりの寝台移動距離 ÷ ビーム幅

※ビーム幅は実際のX線ビームの幅でなく、検出器の幅であることに注意です。

 

ビームピッチ = 1回転当たりの寝台移動距離 / (検出器幅 × 使用列数)

※シングルでもマルチでも対応できるので、こちらを覚えるのがオススメ?

ピッチが大きい場合、次のような特徴があります。

  • 寝台移動速度は速くなり、
  • 撮影時間が短くなり、
  • 被ばく量は低下します。

反対にヘリカルピッチが小さい場合は、逆になります。寝台移動速度は遅くなり、撮影時間が長くなり、被ばく量が増加します。

またヘリカルピッチを大きくすると、次の要素も関係します。

ヘリカルアーチファクト

ヘリカルスキャンのピッチが大きい場合、高吸収の物質周囲に発生しやすいアーチファクトです。

  • ヘリカルアーチファクト
  • ウィンドミルアーチファクト(風車状、ウィンドミル)

ヘリカル補間処理

ヘリカルスキャンは、スキャン中にスライス位置が連続的に変化します。このまま再構成するとモーションアーチファクトとなりますので、ヘリカル補間処理を行います。

ヘリカル補間は目的のスライス位置の前後のデータから、画像を得ることです。

補間処理には360°補間と180°補間があります。

  • 360°補間 目的のスライス位置の前後2回転分のデータで補間する方法です。画像再構成のスライス厚が厚くなってしまうというデメリットがあります。
  • 180°補間 目的のスライス位置の前後1回転+(2×ファンビーム角度)分のデータで補間する方法です。スキャンしたデータには180°反対方向から投影される対向データを利用します。ノイズがやや増えるというデメリットがあります。

360°補間と180°補間では、体軸方向の特性が変わってきます。

それは、使用する投影データの範囲が違うからです。この利用範囲と補間係数の重み付け係数が関係して、SSPの形状が決定されます。

SSPz(slice sensitivty profile at Zaxis)

スライス感度プロファイルのことで、体軸方向の収集データの感度分布を表します。
体軸方向に広がるコーン角の影響もあり、X線束の中心と辺縁では感度分布が異なります。

一般的にノンヘリカルスキャン(コンベンショナルスキャン)はSSPzの半値幅をスライス厚と言います。

一方ヘリカルスキャンでは、ヘリカルピッチや補間処理などにより、SSPzが変化するため、SSPzの半値幅は実効スライス厚と呼ばれています。

マルチスライスCTの問題点

どこに記載しようか迷い、ここに記載してます。そのうち移動しているかもしれません。

オーバービーミング

体軸方向のX線の照射幅を調整する機構として、コリメーターがあります。

コリメーターは、検出器に照射されるX線強度にムラが出ないよう、実際に使用する検出器幅よりも少し広くなっています。

この使用する検出器以外に照射されることをオーバービーミングと言います。

ちなみにこのオーバービーミングの部分は、画像に関係のない被ばくになります。

オーバースキャニング

こちらも体軸方向の、スキャンの始点と終点で、画像に関係のない被ばくが発生してしまうことを言います。

オーバースキャニングの対策として、アクティブコリメータというものが開発されているそうです。

スキャン開始時と終了時にコリメータを非対称にすることで、オーバースキャニングを回避します。