診療放射線技師を目指す学生に、国家試験で役立つ情報を提供しています。
参考

内分泌の疾患について

国家試験に良く出題されている内分泌の疾患について纏めます。

いつもの通り、随時更新していく方針で宜しくお願い致します。

 

下垂体関連

下垂体腺腫

下垂体前葉に発生する良性腫瘍で、原発性脳腫瘍の約18%を占めます。

下垂体腺腫は、機能性と非機能性に分類されます。

  • 機能性腺腫 その腺腫がホルモンを産生・分泌するもの
  • 非機能性腺腫 その腺腫がホルモンを産生・分泌しないもの

機能性腺腫は、ホルモン分泌が過剰となるため、早期に発見されやすいそうです。

下垂体腺腫
頻度 ホルモン分泌過剰による疾患
機能性 GH産生腺腫
(成長H)
約20% 成人:先端巨大症
小児:下垂体性巨人症
PRL産生腺腫
プロラクチノーマ
(プロラクチン)
約25% 高プロラクチン血症
ACTH産生腺腫
(副腎皮質刺激H)
約5% クッシング病
(不足:アジソン病)
TSH産生腺腫
(甲状腺刺激H)
約1% 甲状腺機能亢進症
非機能性 約47%

※表中の「H」は、ホルモンを略しています。

尿崩症

下垂体後葉から分泌されるバソプレシンの分泌低下や、バソプレシンが腎で上手く作用しないと、水分が吸収されないまま排泄されてしまいます。

その結果、血漿浸透圧が上昇し、口渇、多飲を起こします。これを尿崩症(多尿)と言います。

バソプレシンが原因の尿崩症は、出るから飲むイメージです。

尿崩症には心因性多飲症という別のタイプもあります。こちらは飲むから出るイメージでになります

 

甲状腺関連

甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンの増加により、全身の代謝や各臓器の働きが亢進します。バセドウ病が代表的です。

バセドウ病 2020/6/9 追記

びまん性甲状腺腫を伴う甲状腺機能亢進症であり、自己免疫疾患になります。

20~40歳代の女性に好発します。

眼球突出、びまん性甲状腺腫、頻脈は代表的な症状でメルゼブルク3徴と言われます。

その他の症状として、動悸・息切れ・全身倦怠感・収縮機高血圧・食欲亢進・体重減少・排便回数の増加・筋力低下・振戦・多汗などが挙げられます。

2020/6/9 第72回 国家試験 午後54の選択肢関連を追記。

  • 遊離サイロキシン(FT4)↑
  • 遊離トリヨードサイロニン(FT3)↑
  • 甲状腺刺激ホルモン(TSH)↓

甲状腺機能低下症

甲状腺ホルモンの減少や作用不足により、代謝や各臓器の働きが低下します。

代表的な疾患には、慢性甲状腺炎(橋本病)、先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)、甲状腺の手術や放射線療法後などがあります。

 

甲状腺機能低下

甲状腺ホルモンの作用不足により、様々な症状が見られる疾患の総称です。原因疾患の大半は慢性甲状腺炎(橋本病)です。

粘液水腫が代表的な症状になります。これは眼瞼、顔面、全脛骨面を中心に圧痕を残さない浮腫が見られるもので、ムコ多糖類の沈着によるものだそうです。また顔貌は、無関心様表情と言われ、眼瞼、舌、口唇などの浮腫が特徴です。頭髪は薄くなり、眉毛の一部にも脱毛が見られます。皮膚は乾燥し、粗造となります。その他の症状として、心臓に浸出液貯留、思考力低下、言語緩慢、発汗低下、低体温、易疲労感、筋力低下、便秘、徐脈、貧血、月経過多など多くの症状が見られます。

慢性甲状腺炎(橋本病)

甲状腺における慢性の炎症性疾患であり、臓器特異的自己免疫疾患の代表です。40~50歳代の中年女性に好発する。

 

副甲状腺

副甲状腺ホルモン(PTH)の産生が増加し、高Ca・低P血症、消化器症状、骨病変など多彩な症状が見られます。

原因は副甲状腺の腺腫(80%)、過形成(10~15%)、癌(1~2%)となります。

 

副腎関連

副腎皮質

ステロイドホルモン 過剰症状 低下症状
コルチゾール クッシング症候群 アジソン病
アルドステロン アルドステロン症 アジソン病
アンドロゲン クッシング病 アジソン病

 

クッシング症候群

まれな疾患であり、40~50代の女性に多いそうです。

症状は多様で、満月様顔貌、中心性肥満、水牛様肩、皮膚の菲薄、赤色皮膚線条、高血圧、浮腫、高血糖、脂質異常症などです。

 

原発性アルドステロン症

腎集合管に作用して、Na貯留による高血圧をきたす疾患です。二次性高血圧の主な原因です。

 

副腎髄質

副腎髄質は、カテコールアミンを合成・分泌します。このカテコールアミンの過剰症状では、褐色細胞腫が良く出題されています。

褐色細胞腫

カテコールアミン産生腫瘍です。5つの主要症候は、高血圧、頭痛、代謝亢進、高血糖、多汗です。

 

膵臓関連

膵臓、十二指腸の内分泌細胞から発生する腫瘍を膵内分泌腫瘍と言います。

発生 名称
→産生ホルモン
主な症状 好発部位
ランゲルハンス島 インスリノーマ
→インスリン
低血糖症状
肥満
膵体尾部
グルカゴノーマ
→グルカゴン
高血糖
壊死性遊走性紅斑
膵体尾部
ソマトスタチノーマ
→ソマトスタチン
高血糖
脂肪便
胆石症
膵頭部
十二指腸
ランゲルハンス島以外 ガストリノーマ
→ガストリン
難治性消化性潰瘍
慢性水様性下痢
膵頭部
VIPoma(WDHA症候群)
→VIP
水様性下痢
低K血症
胃無酸症
※WDHA症候群は上の代表的な3症状の頭文字をとったもの
膵全体