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CT値とウィンドウ機能について

CTは、Computed tomographyの略で、コンピュータ断層装置のことです。

CT画像は、白黒グレーで見えます。今回は画像の見え方について、CT値とウィンドウ機能についてまとめてみます。

参考図書

CT値について

まずCT値についてです。CT画像は基本的に黒、白、グレイで構成されていますが、どれくらい黒いか、白いか、グレイなのかはCT値によって決まります。

難しく言うと、X線減弱度を数値にしたもので、単位は[HU:Hounsfield unit]が使われます。

このCT値は、対象となるもののX線減弱係数と水のX線減弱係数で求めることができます。計算式は、次です。

CT値の計算式

計算式の対象となるもののX線減弱係数がわかれば、CT値が分かることになります。

例えば、次のようです。

  • 空気のX線減弱係数は0 → CT値は‐1000
  • 水のX線減弱係数は0 → CT値は0

数式を見ると、対象となるもののX線減弱係数は0~無限となりますので、CT値は‐1000~無限の値をとることがわかります。

良く現場では、骨が大体1000で上限値として扱われます。

しかしCT値には、上限値があり、装置のbit数が関係します。
12bitでは‐1000~3084、13bitでは‐1000~7168になります。

現場では、上限値が1000ではないということを念頭にして、やはり骨が1000程度であると覚えていれば良いと思います。

このように骨だけでなく、大体の臓器もおおよそのCT値が決まっています。成分や組成などの影響で誤差が生じますので、おおよその目安としてください。

人体のCT値

  • 肺:−900
  • 脂肪:−100
  • 水・脳脊髄液:0
  • 脳:25~40
  • 血液:30〜40
  • 軟部組織 個人差が大きいので、目安程度に
    • 腎臓:20~40
    • 筋:35~50
    • 脾臓:35~55
    • 肝臓:45~75
    • 甲状腺:60~100
  • 骨:1000 としておきます

現場では、CT値を計測することが良くあります。

  • 出血の鑑別
  • 何か不明のものがあった際の目安

ウィンドウ機能

人間の臓器のCT値が、おおよそで決まっていることを紹介しました。

CTの画像を見るときは、白黒の濃淡で表示されます。この濃淡表示は、8bitの256階調で濃淡レベルが表示されます。

そして観察したい目的や部位により、画像の濃度を調整することができます。

そのためにウィンドウレベル(WL:Window level)、ウィンドウ幅(WW:Window width)というものがあります。

WL:ウィンドウレベル

観察したい部位の、中心となるCT値になります。

WW:ウィンドウ幅

観察したい部位の、CT値の下限値~上限値の幅になります。この下限値や上限値は、画像に表示されないというわけではありません。観察しやすいCTの値となります。

これらのWL、WWを用いることで、コントラストを変えて画像を観察することになります。

  • 頭部:WW:100、WL:40
  • 胸部:WW:1500、WL:-600
  • 腹部:WW:350、WL:50

これらWL、WWは、ある程度の指標です。現場ではこのウィンドウ機能を利用し、観察したいものを見ることもあります。

例えば、

  • 出血や血栓を確認したいとき、WWを小さくして出血を検索できるよう調整します
  • 腹腔内遊離ガスを検出したいとき、WWを大きくして空気を見やすいように調整します

このようにCT画像を観察する時、CT値とウィンドウ機能は重要な情報になります。

CT値は物質固有のおおよその値が決まっていますが、ウィンドウ機能は、WL、WWをほぼ自由に決定することができます。
デフォルトのWL・WWでは、人間の目では区別しにくいコントラストも存在します。

ですからCT画像のウィンドウ機能を調整することは、現場で良くあります。
新卒技師の方などは、ウィンドウを調整するクセをつけろと言われるかもしれません。

ウィンドウ機能はそれくらい大切な情報になります。

現場でCT画像を参照して、これは何だろうと思った時に、

  • ウィンドウ機能を調整すること
  • CT値を計測し、予測すること

が重要となってきます。