診療放射線技師を目指す学生に、国家試験で役立つ情報を提供しています。
CT

CT値とウィンドウ機能について

こんにちは。
レントゲン技師を名乗っていますが、CTも撮影しているカワシマです。

CTは、Computed tomographyの略で、コンピュータ断層装置のことです。

CTの基本原理は、次のような感じです。

  • 管球からX線が照射される
  • 被写体をX線が通過する
  • 管球対側にある検出器で透過してきたX線を検出する
  • 管球、検出器、寝台が移動する
  • 画像を構成するのに必要な分だけデータを収集する
  • 収集したデータから画像を構成する

この一連の流れの中に、レントゲン技師にとって重要なことが多く詰まっています。

今回は、その中でCT値とウィンドウ機能についてご紹介したいと思います。

CT値について

まずはCT値についてです。CT画像は基本的に黒、白、グレイで構成されていますが、どれくらい黒いか、白いか、グレイなのかはCT値によって決まります。

難しく言うと、X線減弱度を数値したもので、単位は[HU:Hounsfield unit]が使われます。

このCT値は、対象となるもののX線減弱係数と水のX線減弱係数で求めることができます。計算式は、次です。

CT値の計算式

 

計算式の対象となるもののX線減弱係数がわかれば、CT値が分かることになります。

例えば、次のようです。

  • 空気のX線減弱係数は0 → CT値は‐1000
  • 水のX線減弱係数は0 → CT値は0

数式を見ると、対象となるもののX線減弱係数は0~無限となりますので、CT値は‐1000~無限の値をとることがわかります。

良く現場では、骨が大体1000で上限値として扱われます。

しかしCT値には、上限値があり、装置のbit数が関係します。
12bitでは‐1000~3084、13bitでは‐1000~7168になります。

現場では、上限値が1000ではないということを念頭にして、やはり骨が1000程度であると覚えていれば良いと思います。

このように骨だけでなく、大体の臓器もおおよそのCT値が決まっています。成分や組成などの影響で誤差が生じますので、おおよその目安としてください。

臓器のおおよそのCT値

  • 肺:‐100~‐1000
  • 脂肪:‐10~‐200
  • 胆嚢、脳脊髄液、嚢胞:0~10
  • 臓器:10~80程度
  • 骨:100~1000

臓器のCT値

  • 脳:25~40
  • 腎臓:25~40
  • 筋:35~50
  • 脾臓:35~55
  • 肝臓:45~75
  • 甲状腺:60~80

 

現場では、CT値を計測することが良くあります。

  • 出血の鑑別
  • 何か不明のものがあった際の目安

 

国家試験にも出題されています。

70回AM

11 CT値が50 HUである物質のX線減弱係数μaと水のX線減弱係数μwとの比μa/μwはどれか。

1. 0.50  2.1.05  3.1.50  4.5.05  5.50.0

解答例

 

69回AM

10 CT値で誤っているのはどれか。

1.水のCT値は0HUである。
2.CT 値は最大1,000 HUである。
3.灰白質のCT値は白質より高い。
4.甲状腺のCT値は筋肉より高い。
5.空気のCT値は- 1,000 HUである。

 

ウィンドウ機能

人間の臓器のCT値が、おおよそで決まっていることを紹介しました。

CTの画像を見るときは、白黒の濃淡で表示されます。この濃淡表示は、8bitの256階調で濃淡レベルが表示されます。

そして観察したい目的や部位により、画像の濃度を調整することができます。

そのためにウィンドウレベル(WL:Window level)、ウィンドウ幅(WW:Window width)というものがあります。

WL:ウィンドウレベル

観察したい部位の、中心となるCT値になります。

 

WW:ウィンドウ幅

観察したい部位の、CT値の下限値~上限値の幅になります。この下限値や上限値は、画像に表示されないというわけではありません。観察しやすいCTの値となります。

これらのWL、WWを用いることで、コントラストを変えて画像を観察することになります。

頭部:WW:100、WL:40

胸部:WW:1500、WL:-600

腹部:WW:350、WL:50

これらWL、WWは、ある程度の指標です。現場ではこのウィンドウ機能を利用し、観察したいものを見ることもあります。

例えば、

  • 出血や血栓を確認したいとき、WWを小さくして出血を検索できるよう調整します
  • 腹腔内遊離ガスを検出したいとき、WWを大きくして空気を見やすいように調整します

 

このようにCT画像を観察する時、CT値とウィンドウ機能は重要な情報になります。

CT値は物質固有のおおよその値が決まっていますが、ウィンドウ機能は、WL、WWをほぼ自由に決定することができます。
デフォルトのWL・WWでは、人間の目では区別しにくいコントラストも存在します。

ですからCT画像のウィンドウ機能を調整することは、現場で良くあります。
新卒技師の方などは、ウィンドウを調整するクセをつけろと言われるかもしれません。

ウィンドウ機能はそれくらい大切な情報になります。
国家試験的に数値を求めたり、数値を覚えたりするのではありません。

現場でCT画像を参照して、これは何だろうと思った時に、

  • ウィンドウ機能を調整すること
  • CT値を計測し、予測すること

が重要となってきます。

国家試験のためのCT値ではなく、学生時代に学んだ知識を現場で少しでも活かせるように頭に入れておいて欲しい情報の一つになります。