CTの被ばく線量で出てくるCTDIとDLPについて、記載します。
CTDIやDLPは、CTにおける被ばく線量を評価するための基本となる指標です。
国家試験にも時折出題されています。
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CTDIについて
CTDI(Computed Tomography Dose Index)は、ある範囲をスキャンしたときの局所線量のことです。
一般的に、CTDIは専用ファントムを用いて測定されます。
専用ファントムは、直径16cmが頭部・小児用で、直径32cmが体幹部用となっています。素材などは割愛します。
CTDIw
5箇所にペンシル型線量計を用いて、得られます。
5箇所は大体決まっており、ファントム中心に1つ、表面から1cmの辺縁4箇所(0、90、180、270度)です。
CTDIw = 1/3 CTDIc + 2/3 CTDIp
(CTDIc:ファントム中心で得られる値、CTDIp:4箇所の平均値)
係数は、CTDIpが2/3となっていますが、これは表面の方が中心より線量が多いため重み付けされています。
実際のCT検査を考慮した場合は、ビーム幅や寝台移動間隔、ピッチファクタなども関連してきます。
そのためCTDIwを局所線量の指標として用いることはできません。
CTDIvol
スキャン条件に応じて用いられるのが、CTDIvol(Volume CTDI)です。
下の公式はややこしいので、参照程度に思ってください。
ノンヘリカルスキャン
CTDIvol[mGy] = ビーム幅/寝台移動間隔×CTDIw
= 1スキャンで得られる断層数×スライス厚/寝台移動間隔×CTDIw
ヘリカルスキャン
CTDIvol[mGy] = 1/ピッチファクタ×CTDIw
(ピッチファクタ = テーブル移動距離/一回転/ビーム幅)
DLPについて
DLP(Dose Length Product)は、線量とスキャン範囲の積で表します。スキャン全体の被ばく線量のことで、CTDIの値(ミリグレイ)にスキャン範囲の長さ(センチメートル)を掛け合わせた値となります。
DLP[mGy・cm] = CTDIvol × 照射された範囲