骨塩定量の測定法についてまとめましたので、参考にして下さい。骨粗鬆症については、こちらを参考にして下さい。
参考図書
概要
非侵襲的に骨密度(骨塩定量)を定量評価し、骨粗鬆症やホルモン分泌異常の診断、経過観察、治療効果の判定などに利用されます。
骨は、
- 有機質の骨気質(主にコラーゲン)
- 無機質の骨塩(ミネラル成分:カルシウム、リン、マグネシウムなど)
で構成されています。
骨量とは、有機質+無機質です。
骨塩量とは、無機質の量です。
骨密度は、骨塩量を骨の面積(QCT法では体積)で割った値になります。
骨密度(BMD:bone mineral density)
BMD[g/cm^2]は、BMC[g]と骨面積[Area:cm]の結果から求められます。
- QCTのBMDは体積密度[g/cm^3]
- DXAの場合のBMDは面積密度[g/cm^2]
骨塩定量法の種類
X線写真濃度測定法(PD:photodensitometry)
基準物質(アルミステップ)と第2中手骨を撮影します。それらの濃度を比較することで、骨密度を求めます。
撮影方法が毎回異なっては、定量的に評価できないため、撮影条件を標準化する必要があります。(管電圧、管電流、撮影時間、撮影距離など。)
通常の単純X線撮影をする機器で撮影できますが、DXAに比べて精度が低いです。
画像濃度の読み取り法
- MD法(microdensitometry)
マイクロデンシトメータにより画像濃度を測定します。 - DIP法(digital image processing)
高分解能CCDカメラにより画像濃度を測定します。 - CXD法(computed X-ray densitometry)
線上に配列されたCCDカメラにより画像濃度を測定します。
二重光子吸収測定法(DXA:dual energy X-ray absorptiometry)
2種類の異なるエネルギーのX線を用いて、骨密度を測定します。
X線ビームと検出器を一体化させて移動させ、ペンシルビームやファンビームのX線を用います。
再現性が良く、広範囲の想定が可能です。
腰椎、大腿骨、全身、前腕の測定が可能です。
脂肪量の算定も可能です。
定量的CT法(QCT:quantitative computed tomography)
診断用X線CTを用いて、腰椎を撮影することで測定します。この時、補正を目的に基準物質となる骨量ファントム(ハイドロキシアパタイトなど)を同時に撮影します。
脂肪髄の影響を受けるため、測定精度が低いのが欠点です。
被ばく線量が大きいという欠点もあります。ただし、低被ばくで測定できるpQCT法というものもあります。(橈骨遠位端を撮影します。)
定量的超音波法(QUS:quantitative ultrasound)
数百kHzの超音波を使用します。
超音波伝播速度(speed of sound)が骨密度に比例します。
踵骨の透過SOSを測定するものと、脛骨の骨表面SOSを測定するものがあります。
被ばくがないことから、骨粗鬆症のスクリーニング検査として用いられます。
再現性が十分ではないという欠点があります。
その他の測定法
単一光子吸収測定法(SXA:single energy X-ray absorptiometry)
DPA(dual photon absorptiometry)/ SPA(single photon absorptiometry)