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血液、血球、造血について

血液や血球に関して、まとめてますので参考にしてください。

参考図書 メディックメディア社,病気がみえる vol.5 血液

血液の概要

心・血管系の中を循環する液体であり、生命の維持に重要です。その主な役割には、運搬、緩衝、防御があります。

  • 運搬 0_2、CO_2、ホルモン、栄養、熱量などを運びます。
  • 緩衝 pH、ホルモン、体温などを一定にします。
  • 防御 病原体、異物などから体を守ります。

通常の成人において、血液量は体重の約8%を占め、その量は体重60kgの成人では4〜5L(約70ml/kg))となる。また全血液量の1/3を失うと生命に危険を及ぼす。

血球と血漿

血球

全血液量の約45%を占める血液の細胞成分です。全ての血球は造血幹細胞から生じ、階段を経て末梢血液に入ります。

血球は、赤血球、白血球、血小板からなります。各血球の%と役割は次のようです。その大半は赤血球です。

  • 赤血球(99%以上) 酸素の運搬です。(ヘモグロビンの働きと関連します。)
  • 白血球(血小板と合わせて1%以内) 体内に侵入した病原体や異物から体を守ります。
  • 血小板(白血球と合わせて1%以内)止血です。

血漿

全血液量の約55%を占める淡黄色透明な血液の液体成分です。血漿の成分はほとんどが水です。血漿の構成は次のようです。

  • 水(91%)
  • 電解質(1%) Na^+、Cl^−、HCO_3^−、K^+など
  • 血漿蛋白(7%) アルブミン、血液凝固因子、グロブリンなど
  • その他(1%) グルコース、アミノ酸、脂質、ビタミン、老廃物、ホルモンなど

血液のpH

動脈血のpH(生体のpH)は、7.40±0.05に保たれています。
pHがこの範囲を超えると、生体に異常をきたします。

血液は代謝によって産生される酸が多いため、常に酸性になりやすい状態です。
体内には、この酸を排泄するシステムがあり、血中pHを一定に保っています。
この酸を排泄するシステムでは、肺と腎臓が大きな役割を果たします。

pH<7.35
pHが酸性よりになり、アシドーシスと言います。

7.45<pH
pHがアルカリ性よりになり、アルカローシスと言います。

造血

全ての血球は、造血幹細胞が自己複製や分化を繰り返すことで産生されます。これを造血と言います。

  • 造血幹細胞の自己複製 自分と同じ細胞を複製する能力
  • 造血幹細胞の多分化 複数の血球系統に分化する能力

造血幹細胞は全ての血球へ分化する能力を有し、分化を繰り返しながら、次第に成熟して機能を有する成熟血球となります。

また造血の場は、成長とともに変化します。胎生期には主に肝臓、脾臓で造血が行われ、出生後は主に骨髄で行われます。

赤血球

分化の過程で核を失うため、核を持ちません。腎が生成するホルモンエリスロポエチンが作用することにより成熟します。

中央部がへこんだ円盤状の形態をしています。この形態により赤血球は高い変形能をもち、自分の直径より狭い毛細血管内でも自由に変形して通過することができるそうです。

骨髄で産生された成熟赤血球は約120日間体内を循環した後、脾臓をはじめとする肝臓、骨髄などの全身の網内系でマクロファージにより貪食、破壊されます。

酸素運搬は、主にヘモグロビンによって行われます。ヘモグロビンは肺胞で酸素を受け取ると、各組織へ運び、そこで酸素を放出します。

基準値には、次のようになってます。

  • 赤血球数(RBC) 男性450~550万/μL、女性350~500万/μL
  • ヘモグロビン(Hb) 男性14~17g/dL、女性12~15g/dL
  • ヘマトクリット値(Ht) 男性40~50%、女性35~45%

白血球

白血球の主な役割は、体内に侵入した病原体や異物から体を守ることです。

白血球は骨髄系とリンパ系に大きくわけることができ、そこからさらに詳細に分類されます。それぞれが異なる役割を担っていて、分類や役割はざっくり次のようになります。

各自この表に追記していく形で覚えるのが良いと思います。

骨髄系 顆粒球 好中球
50~60%
細菌などの細菌などの体内異物の貪食、除去に関与します。
好酸球
3%
寄生虫除去やアレルギー反応への関与します。
好塩基球 1% 即時型アレルギーへの関与します。
単球 5%
  • マクロファージに分化します。
  • 好中球よりも強い貪食能を持っています。
リンパ系 リンパ球 リンパ節を経由して→B細胞 造血幹細胞から分化したB細胞は最終的に形質細胞、メモリーB細胞へと分化します。

  • 形質細胞 抗原に特異的な抗体を産生します。
  • メモリーB細胞 抗原を記憶します。同じ抗原と出会った時に抗体産生が素早くできます。
胸腺を経由して→ヘルパーT細胞
  • 細胞傷害機能を活性化します。
  • 形質細胞の抗体産生を助けます。
細胞傷害性T細胞
  • ウイルス感染細胞や腫瘍細胞を破壊します。
NK細胞
  • 正常細胞には攻撃しません。
  • ウイルス感染細胞や腫瘍細胞に攻撃します。

 

基準値は、次のようになっています。

  • 白血球数(WBC) 4000~9000/μL

白血球数に異常があるときは、分画(ブンカク)を調べると鑑別に役立ちます。

  • 好中球(分葉核球) 20~70%
  • 好中球(桿状核球) 0~20% 読み方はカンジョウカクキュウ
  • 好酸球       0~5%
  • 好塩基球      0~2%
  • 単球        2~10%
  • リンパ球      25~55%

WBCが上昇している時

  • 好中球↑ 細菌感染症など
  • 好酸球↑ 寄生虫疾患、アレルギー性疾患など
  • 好塩基球↑ 慢性骨髄性白血病など

血小板

血小板の主な役割は、止血です。

血中のフィブリンによって、血液凝固が起こり、出血を防ぎます。

基準値は、次のようです。

  • 血小板数(Pit) 15~40万/μL

血小板は、次のように分化・成熟するそうです。

造血幹細胞 → 骨髄系 → 巨核球系 → 巨核芽球 → 巨核球 → 血小板