第71回 医学大要 午前の解説を作成しました。
まだ試験問題が公表されていないため、躊躇しましたがアップします。
過去問が多く反映されていた印象です。
良かったら参考にしてください。
Contents
50 細胞内でATPを産生するのはどれか。
1.核小体
2.ゴルジ体
3.リボソーム
4.リソソーム
5.ミトコンドリア
解 5
今回の問題は、解がミトコンドリアなので皆さん得意だと思います。
ミトコンドリアは、細胞活動に必要なエネルギー供給源であるATP(アデノシン三リン酸)を産生します。
他の細胞内小器官については、こちらも参考にして下さい。
51 後腹膜腔に含まれるのはどれか。
1.肝下腔
2.腎周囲腔
3.傍結腸溝
4.横隔膜下腔
5.ダグラス窩
解 2
後腹膜臓器と言われて一番に思い浮かぶのが、腎臓なので何となく解答できるのではないかと思います。
第70回 午後54 には後腹膜臓器の問題が出題されています。
- 腹腔内臓器 肝臓、胆嚢、脾臓、子宮、卵巣、横行結腸、S状結腸など
- 後腹膜臓器 膵臓、十二指腸、上行結腸、下行結腸、直腸、腎臓、副腎、尿管など
ただ解説ということで、補足しておきます。
解となる腎周囲以外の他の選択肢は難しいですが、腹腔内に存在し、それぞれ液体が貯留しやすい場所であることから術後などでドレーンを留置する代表的な場所となっています。
52 内腔の粘膜上皮が円柱上皮でないのはどれか。
1.胃
2.小腸
3.大腸
4.胆管
5.尿管
解 5
第70回 午前51でも上皮関連の問題が出題されているので、解説をそのまま貼り付けます。
上皮には、次のような種類があります。
- 単層扁平上皮 血管やリンパ管の内皮
- 単層立方上皮 甲状腺、汗腺
- 単層円柱上皮 胃、十二指腸、大腸、卵管、子宮
- 多列上皮 気道上皮であり、線毛があります。線毛が異物をキャッチする役割を担います。
- 移行上皮 腎盂、腎杯、尿管、膀胱
- 重層扁平上皮 刺激が多い部位になります。皮膚の表皮、口腔、食道、肛門管
53 リンパ球となる前駆細胞が分化・成熟するのはどれか。
1.下垂体
2.肝臓
3.胸腺
4.腎臓
5.副腎
解 3
白血球についての問題です。同様の問題が第65回 午前3 に出題されています。
※お断り 第65回の解説は作成していません。(2019/6月)
リンパ球は、リンパ節(B細胞)と胸腺(T細胞)で成熟します。
白血球の全体像などは、こちらも参考にして下さい。
54 扁平骨に分類されるのはどれか。
1.腸骨
2.上腕骨
3.舟状骨
4.大腿骨
5.膝蓋骨
解 1
骨を形で分類すると、次のようになります。
- 長管骨(上腕骨、大腿骨など)
- 短骨(手根骨、足根骨など)
- 扁平骨(頭蓋冠、肩甲骨、腸骨など)
- 種子骨(膝蓋骨、豆状骨など)
55 構成要素として軟骨を含むのはどれか。2つ選べ。
1.耳介
2.喉頭蓋
3.鼠径管
4.回旋腱板
5.前十字靭帯
解 1、2
解説が難しいので、省略させて下さい。
2020/6/17 追記
問題と直結しないですが、喉頭には主に4つの軟骨があります。
- 喉頭軟骨(甲状軟骨、輪状軟骨、喉頭蓋軟骨、披裂軟骨)
56 成人で左右に一対あるのはどれか。2つ選べ。
1.後頭骨
2.蝶形骨
3.側頭骨
4.頭頂骨
5.前頭骨
解 3、4
頭部を構成する骨は次のようになります。
前頭骨、頭頂骨(×2)、後頭骨、側頭骨(×2)、蝶形骨、篩骨
参考までに、過去にも一対シリーズが出題されています。
- 第70回 午前55 左右一対存在する構造はどれか。
1.下垂体、2.視床、3.松果体、4.大脳鎌、5.脳梁 - 第63回 午後9 左右一対あるのはどれか。
1.脳梁槽、2.側脳室、3.中脳水道、4.第3脳室、5.第4脳室
※お断り 第63回の解説は作成していません。(2019/5月)
57 リンパ系の構造はどれか。
1.胸管
2.心耳
3.くも膜
4.バルサルバ洞
5.プルキンエ繊維
解 1
循環に関する問題です。リンパの循環には、特徴があります。
少し大雑把ですが、次の通りです。
- 右上半身のリンパ
右頭頸部のリンパ ⇒ 右リンパ本幹 ⇒ 右静脈角
右上肢、右乳房のリンパ⇒ 右リンパ本幹 ⇒ 右静脈角
- 左上半身と下半身のリンパ
左頭頸部のリンパ ⇒ 左リンパ本幹 ⇒ 左静脈角
左上肢、左乳房のリンパ ⇒ 左リンパ本幹 ⇒ 左静脈角
骨盤と下肢のリンパ ⇒ 乳び槽 ⇒ 胸管 ⇒ 左静脈角
ちなみに静脈角とは、鎖骨下静脈と内頚静脈の合流部のことを言います。
左右に1つずつありますが、流入してくる部位が異なります。
58 胃において十二指腸に連続する部位はどれか。
1.噴門
2.幽門
3.胃角部
4.胃体部
5.胃底部
解 2
胃の解剖の問題です。入口が噴門、出口が幽門になります。
詳細は教科書等を参考にしてください。
59 直腸・肛門の構造について正しいのはどれか。
1.腸間膜を有する。
2.女性では膣の前方に存在する。
3.肛門管の長さは約10cmである。
4.直腸膨大部とは直腸の口側部分を指す。
5.肛門管の粘膜下には静脈叢が含まれている。
解 5
1.腸間膜を有するのは、可動性のある腹腔内臓器になります。直腸は後腹膜臓器となるため、腸間膜は有しません。
2.膣の後方になります。詳細は割愛します。
3.肛門管の長さは、約4cm程度です。
4.肛門管の口側が直腸膨大部になります。
5.肛門管の粘膜には直腸静脈叢が発達しています。この静脈達がうっ血して静脈瘤を形成することがあります。これが痔核です。
60 胃液中に含まれるのはどれか。
1.ペプシン
2.リパーゼ
3.アミラーゼ
4.インスリン
5.トリプシン
解 1、2
複数解となった問題です。なぜ2.リパーゼが追加されたか分からないため、リパーゼの解説については割愛させて下さい。
消化酵素は、食事で摂取した糖質、タンパク質、脂質などを小腸で吸収しやすいように分解するのを助ける働きを持ちます。
ペプシンは、胃から分泌され、タンパク質を分解します。
詳細については、こちらも参考にしてください。
61 腎臓から分泌されるのはどれか。
1.レニン
2.アドレナリン
3.バソプレシン
4.ソマトスタチン
5.アルドステロン
解 1
腎臓から分泌されるものには、レニン・アンジオテンシン・アルドステロンなどがあります。詳細は、尿の生成についてを参考にしてください。
他の選択肢については、次のようになります。内分泌についても併せて参考にしてください。
アドレナリン → 副腎髄質
バソプレシン → 下垂体後葉
ソマトスタチン → 膵臓(δ細胞)
アルドステロン → 副腎皮質
62 精子が通過するのはどれか。2つ選べ。
1.精管
2.精嚢
3.尿管
4.精巣上体
5.陰茎海綿体
解 1、4
精子が通るルートは、大まかに次のようになります。
精巣上体
↓
精管
↓
尿道
↓
外尿道口
精管、尿道の道中では神経、精嚢や前立腺が同時に作用することで射精されます。ここは結構複雑そうなので割愛させて頂きます。
63 中枢神経系に含まれるのはどれか。2つ選べ。
1.橋
2.脊髄
3.脳神経
4.交感神経
5.副交感神経
解 1、2
神経系は、大きく中枢神経と末梢神経に分類できます。
- 中枢神経系
脳と脊髄です。
運動・感覚・自律機能などの生体の諸機能を統括します。
脳(大脳、中脳、橋、延髄、小脳)
脊髄(頚髄、胸髄、腰髄、仙髄、尾髄)
- 末梢神経系
末梢の各器官と中枢神経系を結びます。
脳神経(12対)
脊髄神経(頚神経8対、胸神経12対、腰神経5対、仙骨神経5対、尾骨神経1対)
神経は多くの情報を、中枢や末梢に伝える働きをしています。
交感神経、副交感神経については、脳神経についてを参考にしてくだい。
64 内分泌器官はどれか。
1.汗腺
2.乳腺
3.涙腺
4.甲状腺
5.唾液腺
解 4
甲状腺から分泌されるホルモンには次のようなものがあります。
- サイロキシン
- トリヨードサイロニン
- リバーストリヨードサイロニン
- カルシトニン
他の選択肢は、外分泌の分類されます。