診療放射線技師を目指す学生に、国家試験で役立つ情報を提供しています。
CTやMRI

第71回 CTとMRI 午前

第71回 CTとMRI関連について解説を作成しました。

良かったら参考にしてください。

6 シングルヘリカルCTについて正しいのはどれか。(2019/12/4追記、2020/6/15 追記)

1.コーン角を考慮した再構成法が必要である。
2.オーバースキャニングによって被ばくが増加しやすい。
3.360 度補間法は180 度補間法よりも実効スライス厚を薄くできる。
4.ピッチ係数<ピッチファクタ>が大きいほどアーチファクトは出やすい。
5.エリアシングの影響は画像再構成間隔をスライス厚よりも大きくすることで
抑制できる。

解 4

この問題のポイントは、シングルヘリカルであるということだと思います。選択肢2が難しいかなと思います。

1.コーン角 → マルチスライスCTの体軸方向のX線束の広がりのことです。

2.オーバースキャニングによって被ばくが増加しやすい。オーバースキャニングも、マルチスライスCTのコーン角が関連しています。だからシングルの場合は、オーバースキャニングは関連がないそうです。

3.360 度補間法は180 度補間法よりも実効スライス厚を薄くできる。

→180°補間法の方が薄くできます。360°補間では2回転分データから、180°補間では1回転+α分データから補間します。この補間する範囲と重み付け係数が関係して、SSPzに関連してきます。

5.エリアシングの影響は画像再構成間隔をスライス厚よりも大きくすることで抑制できる。→エリアシングはサンプリングデータの不足で発生します。しかしナイキスト理論とか難しいので、割愛させてください。

なお、ヘリカルCTについてはこちらも参考にしてみてください。

11 CTの線量指標として正しいのはどれか。2つ選べ。(2020/6/15 追記)

1.CTDI 2.DLP 3.DRL 4.EI 5.ESD

解 1、2

詳細は、CTDIとDLPについてを参照して下さい。

DRL 診断参考レベル

EI  第70回 撮影技術 PM85 参照

ESD 内視鏡的粘膜下層はく離術 

15 MRIの高速SE法において撮影時間が短縮するのはどれか。

1.エコー時間の延長
2.視野サイズの拡大
3.繰り返し時間の延長
4.再収束パルス数の増加
5.位相エンコード数の増加

解 4

MRの撮像時間は、次式で表されます。

撮像時間 = TR × Ny × NEX ÷ ETL (÷ リダクションファクター)

TR:繰り返し時間  Ny:位相エンコードステップ数

NEX:加算回数   ETL:エコートレイン数(再収束パルス数)

リダクションファクターはパラレルイメージングの時

16 脳のTOF<time-of-flight>MRAで脳実質の信号を抑制するのに併用されるのはどれか。

1.IR<inversion recovery>パルス
2.DE<driven equilibrium>パルス
3.MT<magnetization transfer>パルス
4.MPG<motion probing gradient>パルス
5.CHESS<chemical shift selective>パルス

解 3

概要のみの記載になります。

MT <magnetization transfer>パルスは、MRAのTOF法で、脂肪組織も含めて脳実質などの背景組織の信号を抑制するために用いられます。

MTパルスについては、過去にも出題されています。

他の選択肢について

IRパルス、CHESS法 MRの脂肪抑制についてを参考にしてください。

MPGパルス motion probing gradient パルスは、動きを検出するために、極性が正負に異なる大きさが等しい傾斜磁場のことです。拡散強調画像に用いられます。

DEパルス  簡略化しますが、T2を強調するためのpreparation pulseです。2項パルス(binominal pulse)、水選択励起なども関連しています。

17 MRIにおいてSARの増大に関係するのはどれか。

1.エコー時間
2.視野サイズ
3.スライス数
4.スライス選択傾斜磁場
5.位相エンコード傾斜磁場

解 3

SAR(specific absorption rate、熱吸収比、[W/kg])は、単位重量あたりの熱吸収比のことを言います。

このSARは、次のような公式があります。

SARの公式

この公式では球体となっていますが、国家試験のSAR問題を解くには参考になると思います。

フリップ角と静磁場強度は、2乗に比例しています。

シーケンス中に、RFパルスを出力している時間の割合を、デューティーサイクル(以降Dと表記します)と言います。TRを小さくすると、Dは大きくなってしまします。

18 脳出血のMR像でT1強調像とT2強調像の両方で高信号となるのはどれか。

1.ヘモジデリン
2.オキシヘモグロビン
3.デオキシヘモグロビン
4.赤血球内メトヘモグロビン
5.赤血球外メトヘモグロビン

解 5

こんなグラフがあります。

私の個人的な意見ですが、臨床ではあまり役に立たない気がします。

「T1Wで○信号、T2Wで△信号だから出血してどれくらい経ってます」よりも、出血部位や脳実質の圧排程度とかの方が治療方針に有益な気がします。

19 MRIのトランケーションアーチファクトで正しいのはどれか。

1.スライス間隔が狭い場合に発生しやすい。
2.収集マトリックスを大きくすると軽減する。
3.静磁場の局所不均一性による位相エラーで発生する。
4.同じボクセル内に水と脂肪が同量存在する場合に大きくなる。
5.撮影領域の範囲外にあるものが画像領域に入り込むことによって生じる。

解 2

打ち切りアーチファクト、トランケーションアーチファクト、ギブズアーチファクトと呼び方がたくさんあります。

原因や対策などを記述すると長くなってしまうので、詳細はMRIのアーチファクトについてを参照してください。

1.スライス間隔が狭い場合に発生しやすい。→クロストーク
3.静磁場の局所不均一性による位相エラーで発生する。→磁化率?
4.同じボクセル内に水と脂肪が同量存在する場合に大きくなる。→ケミカル
5.撮影領域の範囲外にあるものが画像領域に入り込むことによって生じる。→折り返し、エリアシング

20 女性骨盤MRIのT2強調矢状断像を示す。正しい組合せはどれか。

1.ア ーーー 第5腰椎
2.イ ーーー 小腸
3.ウ ーーー 肛門
4.エ ーーー 子宮頸部
5.オ ーーー 大陰唇

解 2

1.ア ーーー 仙椎
3.ウ ーーー 子宮体部
4.エ ーーー 大腸(直腸 or S状結腸)
5.オ ーーー 恥骨

21 心臓シネMRIの四腔像を示す。正しい組合せはどれか。

1.ア ーーー 僧帽弁
2.イ ーーー 側壁
3.ウ ーーー 心尖部
4.エ ーーー 右心耳
5.オ ーーー 肺動脈弁

解 3

1.ア ーーー 三尖弁
2.イ ーーー 心室中隔
4.エ ーーー 脂肪?
5.オ ーーー 僧帽弁

22 脳MRIのT2強調像を示す。MR像Aに示された部位を撮影した画像はどれか。

1.ア
2.イ
3.ウ
4.エ
5.オ

解 3

まずAの画像を参照します。

  • 側脳室が含まれています。
  • 橋は含まれていません。
  • 橋の前(前橋槽)の脳底動脈が含まれていることに注目します。(flow voidで黒くなっているとこ)

このような冠状断の画像は、臨床でも撮影することがあります。

MRAで脳底動脈が抽出されないもしくは抽出が悪い時です。

これは元々血管がそのような構造なのか、もしくは血管が狭窄して抽出が悪いのかなどの鑑別に追加で撮像したりします。