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基礎医学大要

第70回 医学大要 午前

第70回 国家試験 医学大要の午前の解答を作成しました。

随時更新していきますので、参考にしてください。

 

50 解剖構造の位置関係で正しいのはどれか。

1.右副腎は右腎臓の外側にある。
2.左膝蓋骨は左大腿骨の近位にある。
3.膵尾部は胃体部の背側にある。
4.脾彎曲部は横行結腸の近位にある。
5.腕頭動脈は末梢で左総頸動脈と左鎖骨下動脈に分かれる。

解 3

1.副腎はCTやMR画像で、腎臓の内側に観察できます。
2.左膝蓋骨は左大腿骨の遠位側にあります。
4.上行結腸(右、肝彎曲)→横行結腸→下行結腸(左、脾彎曲)となります。
5.腕頭動脈は、右総頸動脈と右鎖骨下動脈に分岐します。

腹部MR画像

 

大腸VR画像

 

51 上皮が皮膚と同じ組織型であるのはどれか。

1.気管
2.小腸
3.食道
4.膀胱
5.卵管

解 3

上皮の問題です。

上皮には、次のような種類があります。

単層扁平上皮 血管やリンパ管の内皮
単層立方上皮 甲状腺、汗腺
単層円柱上皮 胃、十二指腸、大腸、卵管、子宮
多列上皮   気道上皮であり、線毛があります。線毛が異物をキャッチする役割を担います。

※2019/1/23追記 卵管にも線毛があるそうです。

移行上皮   腎盂、腎杯、尿管、膀胱
重層扁平上皮 刺激が多い部位になります。皮膚の表皮、口腔、食道、肛門管

52 眼窩を構成する骨はどれか。2つ選べ。

1.篩骨
2.鋤骨
3.鼻骨
4.側頭骨
5.蝶形骨

解 1,5

眼窩を構成する骨には、次のようなものがあります。

眼窩=頬骨+蝶形骨+前頭骨+涙骨+篩骨+上顎骨+口蓋骨

ついでに、

  • 顔面=鼻骨(2)+鋤骨+涙骨(2)+下鼻甲介(2)+上顎骨(2) +頬骨(2)+口蓋骨(2)+下顎骨+舌骨
  • 側頭骨=鱗部+鼓室部+岩様部(錐体、乳突部)
  • 蝶形骨=大翼+小翼+体+翼状突起
53 左心系に還流するのはどれか。

1.冠静脈
2.奇静脈
3.肺静脈
4.下大静脈
5.上大静脈

解 3

心臓を含めた血液循環の概要は、次の通りです。青字は静脈血、赤字は動脈血をイメージしています。

大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺胞→肺静脈→左心房→左心室→大動脈

54 男性生殖器について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.精管は膀胱に開口する。
2.精囊は前立腺の尾側に位置する。
3.前立腺は直腸の腹側に位置する。
4.右精巣静脈は右腎静脈に流入する。
5.陰茎は陰茎海綿体と尿道海綿体からなる。

解 3、5

1.精管は、陰嚢にある精巣上体から発生し、膀胱の外側を通り、前立腺で射精管と合流します。
2.精囊は膀胱後面、つまり前立腺の頭側に位置します。
4.精巣静脈・卵巣静脈は、右側は下大静脈に、左側は左腎静脈に流入します。
ちなみに精巣動脈・卵巣動脈は、左右共に大動脈から直接分岐します。

55 左右一対存在する構造はどれか。

1.下垂体
2.視床
3.松果体
4.大脳鎌
5.脳梁

解 2

頭部領域で、左右1対ずつ存在する構造には、次のようなものが挙げられます。

被殻、尾状核、淡蒼球、内包、視床、脈絡そう、側脳室

56 脳神経が通過するのはどれか。2つ選べ。

1.棘孔
2.耳管
3.卵円孔
4.頸動脈管
5.頸静脈孔

解 3、5

頭蓋底の孔と通過するものの関係は、次のようになります。

篩骨篩板 1 嗅神経
視神経管 2 視神経 + 眼動脈
上眼窩裂 3 動眼神経 + 4 滑車神経 + 5 三叉神経(眼神経)+6 外転神経
正円孔 5 三叉神経(上顎神経)
卵円孔 5 三叉神経(下顎神経)
棘孔 中硬膜動脈
破裂孔 内頚動脈
内耳孔 7 顔面神経 + 8 内耳神経
頚静脈孔 9 舌咽神経 + 10 迷走神経 + 11 副神経
舌下神経管 12 舌下神経

脳神経については、こちらも参考にしてください。

57 内耳を構成するのはどれか。

1.蝸牛
2.鼓室
3.耳管
4.アブミ骨
5.乳突蜂巣

解 1

耳の構成は、次のとおりです。

  • 外耳 耳介と外耳道
  • 中耳 鼓室と耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)、耳管
  • 内耳 骨迷路(骨半規管、蝸牛、前庭)と膜迷路

 

58 好発年齢が最も高いのはどれか。

1.膠芽腫
2.骨肉腫
3.神経芽腫
4.Wilms<ウィルムス>腫瘍
5.Ewing<ユーイング>肉腫

解 1

私は完全にカンで答える問題です。なので適切な解説を作成できませんが、ネットで大きな病院等のHPを参照して、何となく載っけます。

1.膠芽腫 15歳未満が84.2%ですが、成人(20歳以上)でも9.7%と少ないながら発生が見られます。

2.骨肉腫  主に20歳以下の若年者にみられますが、高齢者にも発生します。

3.神経芽腫 0歳が最も多く、3歳前後が次いで多く、10歳以降は非常に稀です。

4.Wilms<ウィルムス>腫瘍 発症年齢は1歳未満20 %、1歳30 %で半数は2歳前に発症しており、5歳までに90 %が発症しています.

5.Ewing<ユーイング>肉腫 全体の約半数が10歳から20歳に集中しています。また、70%の患者は20歳までに発症し、30歳以上の患者はまれです。

なお小児腫瘍については、こちらも参考にしてください。好発年齢は記載していませんが・・・。

 

59 肺血栓塞栓症の危険因子はどれか。

1.肺炎
2.心不全
3.心房細動
4.アスベスト曝露
5.大腿骨頭置換術後

解 5

右肺動脈に血栓がある造影CT画像

 

肺血栓塞栓症(PTE:Pulmonary Thromboembolism)は、臨床でも比較的良く遭遇する疾患です。

静脈血中の塞栓子(大半は下肢の深部静脈血栓症)が、肺動脈につまり症状が出ます。

塞栓子により、肺動脈が完全に閉塞した状態を、肺梗塞と言います。

症状は、突然の呼吸困難や胸痛、低酸素血症などです。

血栓が形成される原因は、大きく3つに分類されます。

  1. 血流が停滞し、血栓が形成されます。長期臥床、長時間フライト、肥満、妊娠など。
  2. 静脈内皮が障害されて、血栓が形成されます。手術(特に整形外科)、外傷、骨折、中心静脈カテーテル留置など。
  3. 血液が凝固しやすくなり、血栓が形成されます。経口避妊薬や妊娠など。

治療は、基本は内科的治療(抗凝固療法、血栓溶解療法など)になります。

しかし外科的治療で肺動脈血栓除去、予防目的のためIVRで下大静脈フィルターを留置することもあります。

60 機能低下によって貧血を生じるのはどれか。

1.肺
2.心臓
3.腎臓
4.脾臓
5.副腎

解 3

赤血球の造血因子であるエリスロポエチン(EPO)は、大部分が腎臓で産生されます。

そのため腎機能が低下するとEPOの産生も低下し、貧血が進行します。

61 外頸動脈から血流を受けることが多いのはどれか。

1.下垂体腺腫
2.神経芽腫
3.神経膠腫
4.髄芽腫
5.髄膜腫

解 5

髄膜腫の特徴は次の通りです。

  • 充実性の良性腫瘍で、徐々に大きくなります。(稀に悪性もあります)
  • 腫瘍はクモ膜から発生し、硬膜と密着しています。
  • 血管に富んでいます。

硬膜に付着していることから、硬膜動脈を介して外頚動脈によって栄養されています。

血管造影で、外頚動脈を造影すると腫瘍が広がる細かい血管を確認することができます。これを、sunburst appearanceと言います。

 

治療法は、次の通りです。

  • 無症候性の場合や手術リスクが高い場合は、保存療法となります。
  • 腫瘍の発生場所により症状は異なりますが、症状が現れた場合は手術の適応となります。
  • 時に放射線療法(術後の残存部位に対して)を行うこともあります。

 

62 ドパミン作動性神経の機能低下によって発症する疾患はどれか。

1.てんかん
2.一過性全健忘
3.一過性脳虚血
4.Parkinson<パーキンソン>病
5.Alzheimer<アルツハイマー>型認知症

解 4

パーキンソン病は、中脳の黒質が変性し、ドパミンの産生が低下することで発症します。

そのため大脳基底核による運動の制御が障害され(ブレーキがかかりすぎる)、スムーズに体を動かせなくなる神経変性疾患です。

四大症状と呼ばれるものがあります。

  1. 安静時振戦 手足の震え
  2. 無動 動けない、動作が遅い
  3. 筋強剛 筋肉がこわばる
  4. 姿勢反射障害 前傾姿勢になりやすく、転倒しやすい

治療は、薬物療法が基本ですが、時に脳深部刺激療法DBS(deep brain stimulation)が行われることもあります。

63 がん患者の緩和治療について正しいのはどれか。

1.患者家族の意見は重要視されない。
2.精神的苦痛は治療の対象としない。
3.麻薬は習慣性があるため用いない。
4.がん治療を最優先の目的とはしない。
5.痛緩和を目的とした放射線治療は行わない。

解 4

緩和というキーワードから、根治を目的としていないことが分かります。

 

64 予防接種法または予防接種法施行令において定期接種を受ける努力義務が定められていないのはどれか。

1.おたふくかぜ
2.ジフテリア
3.水痘
4.風しん
5.麻しん

解 1

予防接種(定期、任意)がされているものの例をいくつか示します。

ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、麻疹、風疹、BCG、日本脳炎、インフルエンザ、水痘、A・B型肝炎、肺炎球菌などがあります。