第68回 診療放射線技師 国家試験 医学大要(午後)の解説を作成しました。
参考にしてください。
50 生体を構成する元素で最も割合が少ないのはどれか。
1.H 2.C 3.N 4.O 5.Ca
解 5
人体を構成する主要な元素と比率は次のようになります。
O (65%)、C (18%)、H (10%)、N (3%)
51 不要物質の分解処理に関わる細胞小器官はどれか。
1.Golgi装置
2.中心体
3.ミトコンドリア
4.リソソーム
5.リボゾーム
解 4
リソソームは、ゴルジ装置で作られ、内部に加水分解酵素を含みます。
細胞外から取り入れた異物や細胞内で不要になったものを、消化・分解します。
関連については、細胞関連についても参照してください。
52 形質細胞に分化して抗体を産生するのはどれか。
1.B 細胞
2.T 細胞
3.好酸球
4.好中球
5.マクロファージ
解 1
白血球に関する問題です。詳細は、血液、血球、造血についてを参考にしてください。
53 声帯が付着する構造で声帯の前方に位置するのはどれか。
1.甲状軟骨
2.喉頭蓋
3.舌 骨
4.披裂軟骨
5.輪状軟骨
解 1
喉頭には主要な軟骨は4つ、甲状軟骨、輪状軟骨、喉頭蓋軟骨、披裂軟骨です。解剖の位置関係は教科書等を参考にしてください。
54 リンパ系について正しいのはどれか。
1.胸管は右の静脈角に注ぐ。
2.胸管の起始部を脈絡叢という。
3.胸管は上半身のリンパ液を集める。
4.右下半身のリンパ液は左の静脈角に注ぐ。
5.静脈角とは肩甲上静脈と鎖骨下静脈の合流部をいう。
解 4
循環器の概要についてを参考にしてください。
55 腎臓で血液のろ過を行うのはどれか。
1.糸球体
2.腎盂
3.腎静脈
4.尿 管
5.尿細管
解 1
尿の生成についてを参考にしてください。
56 顔面の知覚を伝達するのはどれか。
1.滑車神経
2.三叉神経
3.外転神経
4.顔面神経
5.迷走神経
57 音が伝わる順序で正しいのはどれか。
1.鼓膜 → 耳 管 → 蝸牛 → 聴神経
2.鼓膜 → 耳 管 → 三半規管→ 聴神経
3.鼓膜 → 耳 管 → 耳小骨 → 聴神経
4.鼓膜 → 耳小骨→ 蝸牛 → 聴神経
5.鼓膜 → 耳小骨→ 三半規管→ 聴神経
解 4
音波(振動)が伝わる順序は次のようになります。
外耳道→鼓膜→耳小骨→蝸牛→有毛細胞
58 骨転移の頻度が低いのはどれか。
1.腎癌
2.乳 癌
3.肺癌
4.食道癌
5.前立腺癌
解 4
骨転移は、どの癌にも骨転移の可能性はあります。
その中で、骨転移の頻度が高いのは、前立腺癌、乳癌、腎癌、肺癌などです。
59 肺塞栓症と関係が深いのはどれか。
1.肺気腫
2.動脈硬化
3.心房細動
4.僧帽弁狭窄症
5.深部静脈血栓症
解 5
肺塞栓症は、肺動脈に血栓が塞栓した状態を言います。
これは下肢の深部静脈で生じた血栓が、静脈血流によって肺に到達することで発症する重大な合併症です。
肺動脈血栓については、循環器の疾患についてを参考にしてください。
60 好発年齢が乳児期なのはどれか。
1.急性虫垂炎
2.十二指腸潰瘍
3.潰瘍性大腸炎
4.肥厚性幽門狭窄症
5.Crohn病
解 4
肥厚性幽門狭窄症以外は、よく見聞きする疾患です。これらの好発年齢が乳児ではないことから解答したいところです。
肥厚性幽門狭窄症は、新生児、乳児がミルクを吐く病気で、筋肥厚性幽門狭窄症と呼ばれています。胃の出口である幽門周囲の筋が肥厚し、胃の出口が狭くなっているため症状が出ます。
飲んだミルクが十二指腸に運ばれず胃内に停滞し、ミルクで胃が一杯になると飲んだミルクを吐きます。
61 ホルモン分泌低下による疾患はどれか。
1.先端巨大症
2.中枢性尿崩症
3.原発性アルドステロン症
4.Cushing症候群
5.Parkinson病
解 2
内分泌の疾患についてを参考にしてください。
62 非ステロイド性抗炎症薬の作用はどれか。2つ選べ。
1.解 熱
2.抗菌
3.鎮痛
4.粘膜保護
5.気管支拡張
解 1、3
非ステロイド性抗炎症薬は、nonsteroidal anti- inflammatory drugs:NSAIDsのことです。NSAIDsの作用は、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用です。
63 動脈化学塞栓療法が最も多く行われるのはどれか。
1.肺癌
2.食道癌
3.肝細胞癌
4.前立腺癌
5.子宮体癌
解 3
肝臓のTACEが多く行われていると思います。
64 罹患率が日本よりも欧米で高いのはどれか。2つ選べ。
1.胃癌
2.結 核
3.前立腺癌
4.肝細胞癌
5.Crohn病
解 3、5
前立腺癌は、先進国の罹患率は発展途上国に比べ多く,北アメリカでは日本の約10倍程度、西ヨーロッパでは約5倍程度とも言われています。
Crohn病は、先進国に多く北米やヨーロッパで高い発症率を示します。日本での発症は欧米の1/10程度らしいです。