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第68回 医学大要 午前

第68回 診療放射線技師 国家試験 医学大要 午前の解答を作成しました。

参考にしてください。

50 下垂体後葉から分泌されるのはどれか。

1.成長ホルモン
2.バソプレシン
3.ソマトスタチン
4.甲状腺刺激ホルモン
5.副腎皮質刺激ホルモン

answer

解 2

下垂体後葉から分泌されるホルモンは、バソプレシンとオキシトシンです。

成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンは下垂体前葉、ソマトスタチンは視床下部から分泌されます。

内分泌に関しては、こちらも参考にしてください。

51 解剖学的に正しいのはどれか。

1.母指は尺側にある。
2.前腕は上腕の近位にある。
3.頸部は体幹の尾側にある。
4.脊柱は体幹の腹側にある。
5.寛骨は仙骨の外側にある。

answer

解 5

母指は橈側、前腕は上腕より遠位、頸部は体幹の頭側、脊柱は体幹の背側にあります。
寛骨 = 腸骨 + 恥骨 + 尾骨 です。腸骨を指すなら仙骨の外側、恥骨・尾骨なら仙骨の尾側ということになると思います。

52 細胞周期で1細胞中のDNA 量が多いのはどれか。2つ選べ。

1.G0 期
2.G1 期
3.G2 期
4.M 期
5.S期

answer

解 3、4

S期でDNAを複製して2倍となるため、その後のG2期、M期はDNA量が当初の2倍になります。

細胞周期や細胞関連については、こちらも参考にしてください。

53 咀嚼に関わるのはどれか。

1.下直筋
2.頸長筋
3.僧帽筋
4.アブミ骨筋
5.内側翼突筋

answer

解 5

咀嚼筋は、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4つの筋で構成されています。

眼球運動に関連する筋を総称して、外眼筋と言います。外眼筋は次の筋で構成されています。

  • 上直筋、下直筋、内直筋、外直筋、上斜筋、下斜筋

 

横隔膜をはじめ、外肋間筋、内肋間筋などを総称して呼吸筋と言います。

呼吸をする時は、呼吸筋を動かし、胸郭の体積を変化させて、間接的に肺を進展・収縮させています。

横隔膜、外肋間筋は吸気時に働き、内肋間筋は呼気時に働きます。

換気量が増大したときは補助呼吸筋(斜角筋、胸鎖乳突筋、腹壁筋など)も働きます。

54 脳底動脈から直接分岐するのはどれか。

1.眼動脈
2.後交通動脈
3.上小脳動脈
4.中硬膜動脈
5.中大脳動脈

answer

解 3

眼動脈は内頚動脈から、後交通動脈は後大脳動脈から、中硬膜動脈は外頚動脈の顎動脈から、中大脳動脈は内頚動脈から分岐します。

後方循環系、椎骨動脈・後下小脳動脈・脳底動脈・前下小脳動脈・上小脳動脈は重要になりますので、位置を確認しておいてください。

55 胃と十二指腸の構造について正しいのはどれか。

1.胃角は大弯にある。
2.胃の入り口を幽門という。
3.胃の上部の膨らんだ部分を前庭部という。
4.大十二指腸乳頭は十二指腸下行脚にある。
5.大十二指腸乳頭に総胆管と副膵管が開口する。

answer

解 4

胃角は小彎側です。胃の入口は噴門、出口は幽門です。胃の上部は穹窿部です。

大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)には、総胆管と主膵管が開口します。

56 女性の性周期で正しいのはどれか。

1.基礎体温は排卵を境に低温期となる。
2.卵胞ホルモンの分泌は排卵後に増加する。
3.卵胞期では子宮内膜の厚さは一定である。
4.月経は黄体ホルモン値の上昇に伴い終了する。
5.卵胞刺激ホルモンの分泌は排卵時にピークとなる。

answer

解 5

  • 基礎体温は、排卵が起こると高体温になります。
  • 卵胞ホルモンの分泌がピークに達すると排卵します。
  • 卵胞期では、卵胞ホルモンが分泌され、子宮内膜が少しずつ厚くなっていきます。
  • 黄体ホルモン値の上昇に伴い終了するのは、分泌期(黄体期)です。
57 IgE 抗体が関与するのはどれか。

1.Ⅰ型アレルギー
2.Ⅱ型アレルギー
3.Ⅲ型アレルギー
4.Ⅳ型アレルギー
5.Ⅴ型アレルギー

answer

解 1

IgEが関連するのはⅠ型アレルギーです。Ⅱ型、Ⅲ型はIgG、IgMが、Ⅳ型には感作T細胞が関連します。

なおアレルギー関連については、こちらも参考にしてください。

58 癌の部位と最も頻度の高い組織型の組合せで正しいのはどれか。

1.舌癌   腺 癌
2.肺 癌   小細胞癌
3.食道癌  腺癌
4.皮膚癌  扁平上皮癌
5.膀胱癌  扁平上皮癌

answer

解 4

癌の部位と最も頻度の高い組織型の組合せは、次のようになります。

  • 舌癌  扁平上皮癌
  • 肺癌  腺癌
  • 食道癌 扁平上皮癌
  • 膀胱癌 移行上皮癌

腫瘍関連については、こちらも参考にしてください。

59 骨折で正しいのはどれか。

1.眼窩吹き抜け骨折は眼窩外側が最も多い。
2.顔面骨折は鼻骨が最も多い。
3.椎体の圧迫骨折は頸椎が最も多い。
4.高齢者の大腿骨骨折は骨幹部が最も多い。
5.足の疲労骨折は距骨が最も多い。

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解 2

  • 眼窩吹き抜け骨折は、眼窩の下壁や内側に発症しやすいです。
  • 椎体の圧迫骨折は、胸椎と腰椎の移行部に発症しやすいです。
  • 高齢者の大腿骨骨折は、頸部に多く発症します。
  • 足の疲労骨折は、中足骨に多く発症します。
60 胃潰瘍で正しいのはどれか。

1.大弯に好発する。
2.最も多い自覚症状は吐血である。
3.十二指腸潰瘍よりも発生率は低い。
4.X 線造影検査で胃癌との鑑別は容易である。
5.ヘリコバクターピロリの感染が関係している。

answer

解 5

  • 胃潰瘍の好発部位は、胃角小彎側です。
  • 心窩部痛、腹部膨満感、悪心などの自覚症状があります。
  • 胃と十二指腸では年齢により、好発部位が変わります。
  • 上部消化管造影検査では、早期胃癌と胃潰瘍の鑑別は困難なことが多いです。
61 小児に好発する腎腫瘍はどれか。

1.腎細胞癌
2.転移性腫瘍
3.悪性リンパ腫
4.血管筋脂肪腫
5.Wilmsウィルムス腫瘍

answer

解 5

Wilms腫瘍は、小児腎腫瘍の中で約90%と高頻度です。

また全小児の悪性腫瘍の約6%程度を占める腹部悪性腫瘍でもあります。

予後は比較的良好です。

小児腫瘍については、こちらも参考にしてください。

62 甲状腺ホルモンの不足時にみられる症状はどれか。

1.微熱
2.多尿
3.下 痢
4.徐 脈
5.発汗過多

answer

解 4

甲状腺ホルモンが低下した際は、徐脈の症状がでることもあります。

反対に甲状腺ホルモンが亢進した際は頻脈となることから、逆の徐脈を選択するアプローチもありだと思います。

内分泌疾患については、こちらも参考にしてください。

63 脳動脈瘤の治療法はどれか。2つ選べ。

1.動脈瘤切除術
2.定位放射線照射
3.ステント内挿術
4.金属コイル塞栓術
5.動脈瘤クリッピング術

answer

解 3、5

脳動脈瘤の治療は、クリッピング術、コイル塞栓術が一般的です。

脳動脈瘤については、こちらも参考にしてください。

64 三次予防はどれか。

1.がん検診
2.予防接種
3.職場の事故防止
4.地域での健康教育
5.脳梗塞後の理学療法

answer

解 5

三次予防は、治療を行いながら再発を予防することです。例えば、リハビリテーションによる機能回復、社会復帰の支援などです。