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CTやMRI

第68回 国家試験 CTやMRI 午後

第68回 診療放射線技師 国家試験のCTやMRI(午後)について、解説を作成しました。

随時更新していきますので、参考にしてください。

11 MRI で用いられるフェーズドアレイコイルの特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.送受信型コイルである。
2.複数のコイルで構成されている。
3.コイルから離れた部位の SN 比が高い。
4.小さな FOV での高解像度撮影に用いられる。
5.パラレルイメージングを行う際に使用される。

解 2、5

フェーズドアレイコイルは、SNRの高い小口径コイルを複数配置した受信コイルのことを言います。

各小口径コイルのSNRは高いですが、感度領域は狭い(コイルから離れるとSNRは低下します)です。そのため複数のコイルで、感度領域を補い、適切な再構成をすることで画像を構成します。

こうすることで大口径コイルを用いて撮像するよりも、SNRの高い画像を取得することができます。

小口径コイルは、SNRは高いですが、感度領域は狭いです。

大口径コイルは、感度領域と均一性に優れていますが、SNRは低下します。

パラレルイメージングの概要は次の通りです。このパラレルイメージングを行うには、フェーズドアレイコイルの各コイルの感度分布を用います。

  • 位相エンコード方向のデータ収集数を減らして、間隔を広げて撮像します。(間引くとも言われます。)
  • どれくらいデータ収集を間引くかを、Reduction factorと言います。
  • エンコードステップ数を減らした分、撮像時間が短縮されます。
  • パラレルイメージングの再構成を行うことで、画像再構成されます。通常に再構成すると、位相エンコードステップ数を減らしたため、折り返しアーチファクトが出現します。

 

14 X 線 CT 装置の日常点検項目に含まれないのはどれか。
1.ノイズ
2.スライス厚
3.幾何学的歪み
4.コントラストスケール
5.高コントラスト分解能

解 3

CT装置の日常点検項目とありますが、不変性試験として考えて良いと思います。

CT装置の不変性試験項目

  • 患者指示器(天板)の位置決め(3ヶ月)
  • 患者位置決め精度(3ヶ月)
  • スライス厚(1ヶ月)
  • 線量(6ヶ月)
  • ノイズ、平均CT値および均一性(1ヶ月)
  • 空間分解能(3ヶ月)

参考までに、MRIも。JIS4952(2012)参照

不変性試験は,一連の迅速,簡単,高感度,堅ろう(牢),かつ,効果的な試験によって,MR 装置の全体的な状態を点検する。

目的は,MR装置が受け入れ時に最初に試験されたのとほぼ同じレベルで動作を続けていることを保証することである。

  • 信号ノイズ比
  • 均一性
  • スライス厚及びスライスプロファイル
  • 幾何学的ひずみ(歪)
  • 空間分解能
  • ゴースト

 

15 STIR 法で正しいのはどれか。
1.CHESS 法より SN 比は高い。
2.最初に 90 度の RF パルスを印加する。
3.水と脂肪の位相差を利用した撮影法である。
4.脂肪の縦磁化がゼロになる時間に TE を設定する。
5.CHESS 法より磁場の不均一性の影響を受けにくい。

解 5

STIRはIR法を用いた、脂肪抑制になります。次のような特徴があります。

  • T1緩和を利用した脂肪抑制法です。つまり脂肪のT1緩和が、null pointとなるところでRFパルスを印加します。このnull pointになる時間をTI(Inversion Time)と言います。
  • 磁場の不均一性に弱い部位での脂肪抑制に有用です。臨床では、頚椎、胸椎、肩関節などに良く用いられます。
  • CHESS法に比べてSNRが低いです。CHESS法と同等のSNRを得ようとすると、NEXを増やすため撮像時間が延長します。
  • 造影剤を使用するとT1回復が強調されますが、STIRでは造影された部位も抑制される恐れがあります。(T1緩和が脂肪と同じような場合、造影された部位も抑制されてしまう恐れがあります。)そのため、造影後の脂肪抑制には一般的に用いられません。

 

16 SE 法を用いた MRCP で正しいのはどれか。
1.水抑制画像である。
2.短い TE で撮影される。
3.最大値投影法が有用である。
4.脊椎が高信号で描出される。
5.陽性造影剤を経口投与する。

解 3

第70回 CTやMRI 午後の17と同じ解説を使います。

MRCPは、胆嚢、総胆管や膵管の水成分を強調する画像のことです。結石や腫瘍がある場合は、その高信号が欠損します。

2Dで撮像する場合は、シングルショットの高速スピンエコー法が用いられます。スライス厚を厚くし、非常に長いTEを設定します。2D画像であるため、多方向から観察したい場合は、多方向からの断面で撮像する必要があります。

3D撮像では、呼吸同期や横隔膜同期と脂肪抑制法を用いた高速スピンエコー法が用いられます。2mm程度のスライスで撮像し、設問にあるようなMIP(Maximum intensity projection)画像を作成します。

またMRCPでは陰性造影剤を用いることも多いです。検査前に塩化マンガン四水和物液もしくはクエン酸鉄アンモニウムを飲むことで、消化管内の局所磁場を乱すことでT2を短縮させます。そうすることで消化管内の余計な信号を描出しないようにします。

 

17 MRI のアーチファクトで正しいのはどれか。
1.磁化率アーチファクトは TE を長くすることで軽減できる。
2.モーションアーチファクトは動きの方向に一致して出現する。
3.化学シフトアーチファクトは静磁場強度が高いほど大きくなる。
4.折り返しアーチファクトはスライス厚を薄くすることで回避できる。
5.トランケーションアーチファクトは分解能を低く設定すると抑制できる。

解 3

MRIのアーチファクトについても参考にして下さい。

 

21 頭部 MRI の T 2 強調像を示す。矢印で示すのはどれか。
1.海馬
2.視床
3.中 脳
4.脳 梁
5.尾状核

解 4

画像解剖の問題です。この冠状断のスライスが、水平断のどの部分のスライスかを考えるとイメージがつきやすいと思います。

22 MRI の T 2 強調矢状断像を示す。正しい組合せはどれか。2つ選べ。
1.ア 鼻腔
2.イ 脳脊髄液
3.ウ 上咽頭
4.エ 横突起
5.オ 第 11 胸椎

解 2、5

画像解剖です。下の図を参照して下さい。

23 健常成人の MRCP 像を示す。矢印で示す構造はどれか。
1.右肝管
2.総肝管
3.胆嚢管
4.総胆管
5.主膵管

解 3

MRCPの解剖問題です。下の図を参照して下さい。なおこの画像だけで、膵管を同定するのは困難であったため「?」を付けました。