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国試関連

67回 撮影技術 午後

第67回 診療放射線技師 国家試験 撮影技術学(午後)の解説を作成しました。

参考にして下さい。

参考図書

 

84 被ばく線量の軽減に効果があるのはどれか。
1.照射野を狭くする。
2.グリッドを使用する。
3.通常よりも低い管電圧で撮影する。
4.被検者から検出器までの距離を長くする。
5.管電圧リプル百分率の大きいX線装置を使用する。

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解 1

1.照射野を狭くする。
→散乱線が減少します。被ばく線量の軽減とコントラストが上昇します。 現場でも役に立つので、余分な照射野は絞るようにしましょう。※2022年3月時点で、広範囲を観察できるよう照射野を絞らないようにするような文献も見かけます。(腰椎で股関節含めてとか)

2.グリッドを使用する。
→グリッドを使用すると、フラットパネルなどの受像器に到達する散乱線は減少しコントラストが向上します。そのかわり画像生成に必要な線量もカットされてしまうため、通常は撮影線量を上げます。結果被ばく量は増加します。

3.通常よりも低い管電圧で撮影する。
管電圧を低くすると、透過力が下がります(線質が柔らかくなります)。被写体で吸収するX線量が増え、受像器に到達するX線量も減少します。画像生成を考慮すると、パネルにX線が到達しないため、線量を増加する必要があります。

逆に管電圧を高くすると、透過力が上がります(線質が硬くなります)。被写体で吸収するX線量が減少し、受像器に到達するX線量が増加します。パネルに到達するX線が増加するため、線量を減らすことができると思います。

4.被検者から検出器までの距離を長くする。
→グレーデル法やエアーギャップ法のことです。フラットパネルなどの受像器に到達する散乱線が減少しコントラストが向上します。こちらもグリッドを使用した時と同様、画像生成に必要な線量も受像機に到達するまでに減少してしまいます。よって撮影線量を上げるのが一般的です。結果被ばく線量は増加します。

5.管電圧リプル百分率の大きいX線装置を使用する。
→リプル百分率、苦手なので許して下さい。
リプル百分率が
小さい→最大電力も大きくなる。
大きい→最大電力が小さくなる。

最大電力が小さくなるため、時間で稼ぐみたいなイメージでしょうか?

85 腰椎斜位X線撮影で正しいのはどれか。
1.棘突起に対して軸位撮影となる。
2.背面を撮影台に対し60°にする。
3.X線中心は第1腰椎の高さとする。
4.上下関節突起間部の観察に適している。
5.肋骨突起が他の骨に重ならずに広く観察できる。

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解 4

腰椎の斜位撮影の目的は、スコッチテリア像や上下関節突起を確認することです。背面を撮影台に対し大体40°にし、中心X線は第3腰椎となります。

86 2倍の拡大撮影時の半影が0.1mmであった。 同じシステムで、焦点-被写体間距離を変化させずに3倍の拡大撮影を行ったときの半影[mm]はどれか。
1.0.1 2.0.15 3.0.2 4. 0.25 5.0.3

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解 3

半影や拡大率については、イラストを参照して下さい。

拡大率と半影について

2倍の拡大撮影時の半影が0,1[mm]

拡大率の公式に代入してみます。
 2 = (a+b) / a = 1 + b/a  これよりb/a = 1 が分かります。

半影の公式に代入してみます。
 0.1 = F × b/a = F × (拡大率 – 1) これよりF = 0.1[mm]が分かります。

今求めたいのは、3倍拡大した時の半影です。
※b/aの値は先ほどの1から変わっていて、不明なことに注意してください。

 半影 =  F × b/a = F × (拡大率 – 1)
   = F ×(3 – 1)= 0,1 × 2 = 0.2[mm]

87 X線造影検査で陰性造影剤として空気を使用するのはどれか。
1.血 管 2.胆 嚢 3.大 腸 4.瘻 孔 5.脊髄腔

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解 3

上部消化管造影(胃や十二指腸)、下部消化管造影(大腸)ではバリウムなどの陽性造影剤と空気の陰性造影剤を使用して二重造影を行います。

88 X線CTで正しいのはどれか。
1.腹部CTの撮影時の基準点は胸骨上切痕である。
2.CTコロノグラフィでは大腸内部の色調観察が可能である。
3.肺野条件のウインドウレベルは縦隔条件より低く設定する。
4.部分体積効果の低減には厚いスライス厚の使用が効果的である。
5.CT用自動露出制御〈CT-AEC〉の使用により被ばく線量は増加する。

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解 3

1.腹部CTの撮影時の基準点は胸骨上切痕である。
→撮影時の基準点は、施設やメーカーによっても異なるので何とも言えませんが、国試では良く出題されています。胸骨は胸部撮影の際の基準点となることが多いです。

2.CTコロノグラフィでは大腸内部の色調観察が可能である。
→CTコロノグラフィは、大腸内部の凹凸などの形態を観察することが目的です。腫瘍、狭窄、憩室やポリープなどです。
第68回 国家試験 撮影技術学の午後 88も併せて参考にしてください。

3.肺野条件のウインドウレベルは縦隔条件より低く設定する。
→参考ですが、以下のようになります。縦隔も腹部と同様に考えて差し支えないと思います。CT値とウィンドウ機能についても参照してください。
胸部:WW:1500、WL:-600
腹部:WW:350、WL:50

4.部分体積効果の低減には厚いスライス厚の使用が効果的である。
→部分体積効果には、薄いスライス厚が効果的です。
併せてCTのアーチファクトについて のパーシャルボリューム効果も参照して下さい。

5.CT用自動露出制御〈CT-AEC〉の使用により被ばく線量は増加する。
→CT-AECは、体格などを考慮して、自動的にX線量を調整する仕組みです。よって被ばく線量は減少します。CT装置のハード概要も参照して下さい。

89 X線CTの頭蓋底部アーチファクトの低減で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.管電流を下げる。
2.体動補正処理を行う。
3.線質硬化補正処理を行う。
4.薄いスライス厚を用いる。
5.心電図同期再構成を行う。

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解 3、4

頭蓋底部は、頭蓋骨や乳突蜂巣(空気)が存在するためビームハードニングアーチファクトが発生しやすい場所となります。

このアーチファクトを低減させるには、線質硬化補正処理を行う、薄いスライス厚を使用することです。

90 典型的な乳腺構成を呈するマンモグラフィを示す。 乳腺構成で正しいのはどれか。
  A       B         C         D
1. 高濃度     脂肪性      乳腺散在     不均一高濃度
2. 高濃度    不均一高濃度     乳腺散在      脂肪性
3. 脂肪性     高濃度      乳腺散在      不均一高濃度
4. 脂肪性     乳腺散在     不均一高濃度     高濃度
5. 乳腺散在  不均一高濃度      高濃度      脂肪性

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解 4

マンモグラフィには携わらないので、詳細は割愛させて頂きます。

しかしDが明らかに高濃度に見えるので、そこだけで解答できる気がします。A、B、Cの分類については、許して下さい。

91 右肘関節の正面X線写真を示す。 正しい組合せはどれか。
1.ア  尺 骨
2.イ  肘 頭
3.ウ  茎状突起
4.エ  内側上顆
5.オ  上腕骨小頭

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解 2

ア 橈骨、イ肘頭、ウ橈骨頭、エ外側上顆、オ内側上顆

参考までに肘関節の骨折好発部位は、肘頭、上腕骨顆上(内側上顆と外側上顆の上側)です。時に橈骨頭が骨折することもあります。

92 IVRによる治療前の血管造影像と治療後の血管造影像を示す。 施行されたIVRで正しいのはどれか。
1.肝動脈注入療法〈TAI〉
2.肝動脈化学塞栓療法〈TACE〉
3.経皮的冠動脈形成術〈PTCA〉
4.経皮的肝膿瘍ドレナージ術〈PTAD〉
5.肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法〈RFA〉

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解 2

腹部血管造影でTACEのbefore、afterの画像です。
カテーテル先端は、腹腔動脈にあります。


腹部血管造影

TACE

肝細胞癌は、肝動脈からの血流が主体であり、門脈血流はほとんどありません。

そのため腫瘍に栄養を送る動脈をゼラチンなどなどの固形物質+抗がん剤で塞栓し、腫瘍を壊死させることが目的となります。

利点
腫瘍の個数や大きさを問わず治療ができるということです。

禁忌
肝細胞癌は門脈に浸潤しやすく、門脈に腫瘍塞栓となる場合があります。

比較的大きい門脈が浸潤を受けると、正常肝の血流も肝動脈に依存することになります。この状態でTACEを行うと、正常肝への血流も途絶えてしまいます。

93 注腸造影像を示す。 認められる所見はどれか。
1.ニッシェ
2.ハウストラの消失
3.クローバー状変形
4.ドッグイアサイン
5.アップルコアサイン

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解 5

アップルコアサインです。下の図を参照して下さい。

94 造影後の三次元胸部CTの正面像と背面像を示す。 正しい組合せはどれか。2つ選べ。
1.ア  右心室
2.イ  左心耳
3.ウ  上大静脈
4.エ  左心房
5.オ  肺動脈

answer

解 4、5

ア右心房、イ左心室、ウ(上行)大動脈、エ左心房、オ肺動脈