診療放射線技師を目指す学生に、国家試験で役立つ情報を提供しています。
基礎医学大要

第67回 医学大要 午後

第67回 診療放射線技師 国家試験 医学大要(午後)の解説を作成しました。随時更新していきますので、参考にして下さい。

Word Pressを更新したら、使い方良く分からないので、見た目が変わっています。スルーしてください。

 

50 減数分裂を生じる細胞が存在するのはどれか。

1.大 脳 2.甲状腺 3.胸 腺 4.副 腎 5.精 巣

解 5

身体を構成する体細胞は有糸分裂、精子と卵子をつくる生殖細胞は減数分裂を行います。

 

51 重層扁平上皮で覆われている臓器はどれか。

1.気管支 2.食 道 3.胃 4.結 腸 5.膀 胱

解 2

気管支は繊毛上皮、胃・結腸は腺上皮、膀胱は移行上皮で覆われています。

 

52 前縦隔に存在する構造物はどれか。

1.気 管 2.胸 管 3.胸 腺 4.反回神経 5.上行大動脈

解 3

縦隔に含まれる臓器は、次のとおりです。

  • 上縦隔には、胸腺・気管・上部食道・大動脈弓・上大静脈など。
  • 前縦隔には、胸腺。
  • 中縦隔には、気管支・大血管・心臓。
  • 後縦隔には、食道(中・下部)・胸大動脈・奇静脈・胸管・迷走神経など。
53 嚥下時に食道以外への食物の移動を防止するのはどれか。2つ選べ。

1.舌 2.顎下腺 3.喉頭蓋 4.軟口蓋 5.口蓋扁桃

解 4、5

吸気時と嚥下時では、喉頭蓋や軟口蓋などの動きが異なります。

この動きの違いにより、空気は気管に、食物は食道に流れます。

 

54 止血に関与するのはどれか。

1.血小板 2.好酸球 3.好中球 4.赤血球 5.リンパ球

解 1

血小板の主な役割は、止血の役割を果たします。

血中のフィブリンによって、血液凝固が起こり、出血を防いでくれます。

 

55 血液関門を有するのはどれか。2つ選べ。

1.腎 臓 2.大 脳 3.胎 盤 4.下垂体 5.松果体

解 3、5 2,3(2019年10月8日訂正)

脳と脊髄の毛細血管にはBBBという血液脳関門という特殊な構造が存在します。

このBBBは、臨床でも国試でも大切な知識になります。

BBBは、血液中から脳などに入ってくる物質移動を厳しく制限しています。
これは内部環境を一定に保つ必要があるためです。

脳組織において、
正常組織はこの制限のおかげで、造影されることはありません。
BBBが破綻すると、造影効果が見られたり、血管性脳浮腫が起こったりします。

通過可能
ガス(O_2、CO_2)、水、電解質、グルコース、アミノ酸(選択的に通過)

通過不可能
低分子化合物、蛋白質、脂質の一部、薬剤※、白血球
※ただし、アルコールや麻酔薬などはBBBを通過しやすい


ただし、脳内でBBBを欠く部位も存在します。国家試験ではここが良く出題されている印象です。これらは覚えてしまった方が、早いと思います。
松果体・下垂体後葉・視床下部の一部・脈絡叢など

 

2019/2/10 追記

選択肢の1番の腎臓についてです。

なぜ腎臓に血液関門がないのか?という根拠みたいなものは見つからないのでこう解釈したらどうでしょうという提案になります。

血液関門は、血液中から中枢神経系(脳や脊髄)に入ってくる物質移動を厳しく制限しています。これは内部環境を一定に保つ必要があるためです。

血液関門は、入ってこないようにします。

一方腎臓の役割は、水分・電解質の調整、体液のpHを保つ、代謝産物の排泄が主です。

この役割を行うプロセスで、尿細管と尿細管周囲の毛細血管の間で、再吸収と分泌を繰り返します。

そして最終的に体内に必要な物質は血中に吸収され、不要なものは尿として体外へ排泄させます。

つまり

不要なものが入ってくるけど、再吸収と分泌を繰り返し、尿として排泄します。

 

56 声帯の動きを支配する神経はどれか。

1.顔面神経 2.三叉神経 3.舌咽神経 4.舌下神経 5.迷走神経

解 5

声帯は迷走神経の枝である、反回神経による支配を受けます。

肺癌により、迷走神経(反回神経)が圧排されることで嗄声が出現することを思い出せたら良いなと思います。

 

57 音波の振動を伝える構造はどれか。2つ選べ。

1.外側半規管 2.蝸 牛 3.キヌタ骨 4.耳 管 5.耳 石

解 2、3

蝸牛には聴覚の役割があります。耳小骨はツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨で形成されます。

音が伝わる順番は、次の通りです。

外耳道→鼓膜→耳小骨(ツチ骨→キヌタ骨→アブミ骨)→蝸牛→有毛細胞→蝸牛神経→中枢

 

58 菌交代現象の要因となるのはどれか。2つ選べ。

1.輸 血 2.免疫力低下 3.動物飼育歴 4.予防接種歴 5.抗菌薬長期投与

解 2、5

この問題は、感染症についての問題です。

感染症に、外因性・内因性と分類するものがあります。

外因性感染
外界から病原体が伝播されるものを言います。
水平感染、垂直感染などがあります。

内因性感染
普段は無害な常在微生物叢が病原性となってしまいます。

日和見感染が有名です。

菌交代現象も内因性感染に分類されます。
抗菌薬の投与やチューブ、ドレーンの留置が原因となり、特定の微生物(偽膜性大腸炎、カンジダ膣炎)が優位に増殖してしまいます。

異所性感染
常在微生物が本来いる場所から別の場所へ侵入してしまいます。(大腸菌による胆肝炎、敗血症など)

59 胸部X線正面写真で木靴型の心陰影を示すのはどれか。

1.大動脈狭窄症 2.動脈管開存症 3.肺動脈狭窄症 4.心室中隔欠損症 5.ファロー四徴症

解 5

ファロー四徴症は、国家試験に良く出題されている印象です。

画像問題の出題は見当たらないので、「木靴心」でネット検索すると結構画像は出てきます。

参考までに、ファロー四徴症の特徴を下に記載しておきます。

チアノ-ゼ性心疾患の代表的な病気です。
酸素の足りない血液が全身にまわることで、チアノーゼになってしまいます。

「四つ」の形態的な特徴がある疾患です。
1)心室中隔欠損
2)肺動脈狭窄
3)大動脈右室騎乗
4)右室肥大

 

60 緊急に除去する必要がある消化管異物はどれか。2つ選べ。

1.画 鋲 2.碁 石 3.硬 貨 4.パチンコ玉 5.ボタン電池

解 1、5

何となく予測できるのではないでしょうか。

  • 画鋲 消化管穿孔となる恐れがあるため
  • ボタン電池 電池が溶けて、消化管の潰瘍、消化管穿孔の恐れがあるため

 

61 両葉の肝内胆管拡張を生じやすいのはどれか。

1.肝嚢胞 2.膵尾部癌 3.総胆管結石 4.十二指腸潰瘍 5.胆嚢腺筋腫症

解 3

臨床の画像検査でも多く見られるので、是非覚えてもらいたいと思います。

黄疸が見られる時に画像検査を行い、総胆管結石が発見されることが多いです。

まれに膵頭部腫瘍が発見されることもあります。

矢印部分が拡張した胆管です。
62 眼窩吹き抜け骨折が生じる頻度が高いのはどれか。2つ選べ。

1.鼻 腔 2.篩骨洞 3.上顎洞 4.前頭洞 5.蝶形骨洞

解 2、3

吹き抜け骨折についても、何年か集中して出題されていた印象です。

関連しそうなことを記載しておきます。

眼窩吹き抜け骨折
原因 外力が加わって眼窩周囲の骨が骨折し、そこから内容物が外に出てしまう状態を言います。

骨折しやすい部位 眼窩下壁、眼窩内側の順に骨折を生じやすいです。

検査 第一選択はCTもしくはレントゲンです。
CTでは冠状断が有用で、骨折部位の他に眼窩内容物の逸脱などが観察することができます。
レントゲンでは眼窩周囲の骨折や上顎洞内の液体貯留が観察できることがある。手術が必要となる場合もあるが、緊急手術の適応ではない。

症状 眼球運動の障害や複視などが見られます。

 

63 平成22年の我が国におけるがんの罹患と死亡とで正しいのはどれか。
1.およそ2人に1人はがんにより死亡する。
2.男性では肺癌の罹患者数が最も多い。
3.女性では乳癌の罹患者数が最も多い。
4.男性のがんによる死亡で最も多いのは胃癌である。
5.女性のがんによる死亡で最も多いのは子宮頸癌である。

解 3

統計問題は平成27年の統計を参照しました。

  • 悪性新生物による死亡者数は、30%に届かない程度です。
  • 男性では、胃癌の罹患者数が最も多いそうです。
  • 男性のがんによる死亡で最も多いのは、肺癌だそうです。
  • 女性のがんによる死亡で最も多いのは、大腸癌だそうです。

参考までにネットで調べた数値を、死亡数と罹患率に分けて書いておきます。

64 認知症の症状でないのはどれか。

1.妄 想 2.躁状態 3.記憶障害 4.行動異常 5.見当識障害

解 2

躁状態は、精神障害の気分障害の一つです。気分が異常に高揚していることを言います。

65 造影剤によるアナフィラキシーショックで、まず行われる処置として適切でない のはどれか。
1.気道確保

2.生理食塩液輸液
3.高流量酸素投与
4.アドレナリン筋肉内注入
5.副腎皮質ステロイド静脈内注入

解 5

この問題は、臨床現場でもぜひ覚えておいて欲しい知識となります。

ステロイドはアナフィラキシー反応における気道浮腫やショックへの速効性がありません。速効性のあるステロイドでも効果が現れるまで、4~6時間と言われています。

ですから輸液とアドレナリンを投与し、循環管理を行います。
アドレナリンを静注すると、急性の高血圧や頻脈が見られることがあります。
そのため中等度以下のアナフィラキシー反応には、筋注が推奨されています。

また酸素を投与することも重要です。

※さらに踏み込んで
常時内服している薬剤がある場合は、注意が必要です。

βブロッカーはアドレナリンの効果を減弱する作用があるため、アドレナリンではなくグルカゴンを準備しておく必要があります。