診療放射線技師を目指す学生に、国家試験で役立つ情報を提供しています。
基礎医学大要

第67回 医学大要 午前

第67回 診療放射線技師 国家試験 医学大要の午前の解説を作成しました。

随時更新して行きますので、参考にしてください。

50 細胞のエネルギー産生と関連する構造はどれか。

1.細胞壁 2.小胞体 3.リボソーム 4.ミトコンドリア 5.ゴルジ体

解 4

ミトコンドリアは、細胞活動に必要なエネルギー供給源であるATP(アデノシン三リン酸)を産生します。

67回くらいまでは、大体ミトコンドリアが解答でしたが、68回以降は違う印象です。

併せて、細胞関連についても参照して下さい。

51 関節内靱帯を有するのはどれか。

1.肩関節 2.肘関節 3.股関節 4.膝関節 5.足関節

解 4

靭帯は関節の外にあるものが多いみたいですが、関節内を走行するものもあるそうです。

膝関節には、十字靭帯(前・後十字靭帯)が有名です。迷わずこれを選択したいです。

※関節内靭帯を調べたところ、股関節にも大腿骨頭靭帯というものがあるそうですけど。

52 腹式呼吸に用いる主な筋肉はどれか。

1.横隔膜 2.大胸筋 3.腹斜筋 4.腹直筋 5.肋間筋

解 1

横隔膜をはじめ、外肋間筋、内肋間筋などを総称して呼吸筋と言います。

呼吸をする時は、呼吸筋を動かし、胸郭の体積を変化させます。
そして間接的に肺を進展・収縮させています。

横隔膜、外肋間筋は吸気時に働き、内肋間筋は呼気時に働きます。

換気量が増大したときは補助呼吸筋(斜角筋、胸鎖乳突筋、腹壁筋など)も働きます。

また複式呼吸では、横隔膜によって胸郭を動かしています。
胸式呼吸では、横隔膜+肋間筋になります。

咀嚼筋は、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、内側翼突筋の4つの筋で構成されています。
これらの筋が連携することで、下顎骨を挙上したり、前後に動かすことで咀嚼を可能にしています。

眼球運動に関連する筋を総称して、外眼筋と言います。外眼筋は次の筋で構成されています。上直筋、下直筋、内直筋、外直筋、上斜筋、下斜筋

53 右心系の構造はどれか。

1.三尖弁 2.僧帽弁 3.冠状動脈 4.洞房結節 5.上行大動脈

解 1

心臓の弁について、整理します。三尖弁と僧帽弁だけ覚えれば、良いと思います。

  • 右房ー右室 三尖弁
  • 右室ー肺動脈 肺動脈弁(大動脈弁より高位、前側に位置します)
  • 左房ー左室 僧帽弁
  • 左室ー大動脈 大動脈弁

洞房結節は、洞結節とも言われます。刺激伝導路のスタート地点で、ペースメーカー的な役割をしています。上大静脈ー右心房周囲に存在します。

54 ガストリンを分泌する細胞が主に存在するのはどれか。

1.噴門部 2.胃底部 3.胃体部 4.胃角部 5.幽門部

解 5

主な消化管ホルモンについて、まとめてみます。

ガストリン

  • 胃を活性化するイメージです。
  • 下部食道括約筋を収縮し、胃内容物の食道への逆流を防ぎます。
  • 幽門括約筋を弛緩させ、小腸への流入を促します。
  • 胃幽門前庭部と十二指腸上部で分泌されます。

セクレチン

  • 胃の活動を抑制し、膵液の分泌を促進させれイメージです。
  • 幽門括約筋を収縮し、膵液の逆流を防ぎます。
  • オッディ括約筋を弛緩させ、腸管内への膵液の分泌を促進させます。
  • 十二指腸(特に球部)で分泌されます。
55 尿細管での再吸収率が最も高いのはどれか。

1.尿 素 2.ケトン体 3.ブドウ糖 4.アンモニア 5.ビリルビン

解 3

尿細管での再吸収率が高いということは、尿としての排泄率が低いことを意味します。正常の尿中の糖の割合はほぼ0です。

尿の生成についても参照して下さい。

56 2種類の静脈系を有するのはどれか。

1.膵臓 2.副腎 3.卵巣 4.肝臓 5.甲状腺

解 4

肝臓は、次の静脈系を有します。

  • 門脈  胃、脾、胆嚢、膵、小腸、大腸からの静脈が合流して門脈となり、肝臓に流入します。
  • 肝静脈 肝動脈→肝毛細血管→肝静脈
57 眼球を外転させる筋肉はどれか。

1.眼輪筋 2.上直筋 3.下直筋 4.内側直筋 5.外側直筋

解 5

眼球運動に関連する筋を総称して、外眼筋と言います。外眼筋は次の筋で構成されています。上直筋、下直筋、内直筋、外直筋、上斜筋、下斜筋。

眼球運動と関連する筋の関係は、煩雑です。
ただし内外方向のみは単純で、直筋がそのまま当てはまります。(内側:内直筋、外側:外直筋)

2019/2/4 追記

眼球運動に関わる脳神経は、動眼神経、滑車神経、外転神経です。

外眼筋と、これら神経が複雑に関与することで、眼球運動は成立しています。

外眼筋と神経支配は次のような関係になります。

  • 上直筋…動眼神経
  • 下直筋…動眼神経
  • 内直筋…動眼神経
  • 外直筋…外転神経
  • 上斜筋…滑車神経
  • 下斜筋…動眼神経

 

58 細菌感染症はどれか。

1.ヘルペス脳炎 2.流行性角結膜炎 3.流行性耳下腺炎 4.レジオネラ肺炎 5.クロイツフェルト・ヤコブ病

解 4

感染については量が多いため、徐々に追記するもしくは専用のページを作成するといった対策を考えています。

今回は、選択肢のみ記載します。

1.ヘルペス脳炎 単純ヘルペスウイルス

2.流行性角結膜炎 アデノウイルス

3.流行性耳下腺炎 ムンプスウイルス

4.レジオネラ肺炎 細菌

5.クロイツフェルト・ヤコブ病 牛海綿状脳症(BSE)の経口摂取

59 肺の容積が増加する疾患はどれか。

1.じん肺 2.肺水腫 3.肺線維症 4.気管支肺炎 5.慢性閉塞性肺疾患

解 5

慢性閉塞性肺疾患は、何らかの原因で気道が閉塞して気流が制限された状態のことを言います。

この気流制限は、息は吸えるけど、吐けないというのが特徴です。そのため呼吸困難になります。吸気時には胸郭全体が拡張して気道が広げられるために、肺への空気流入は妨げられにくいです。しかし呼気時には胸郭が狭くなり気道内腔が狭くなるため、空気の排出が制限されます。

代表的な肺疾患に、COPDがあります。

COPDは、主に長期の喫煙がリスクファクターになります。

症状は、慢性の咳嗽、喀痰、労作時呼吸困難などです。

COPDが重症化すると典型的な身体的所見が出現します。

  • ビア樽状胸郭 肺の過膨張により、胸郭の前後径が増大します。
  • 胸鎖乳突筋の肥大 努力呼吸で呼吸補助筋を多く使用するためです。
  • 口すぼめ呼吸 気道内圧を高めることで呼気時の気道閉塞を緩和します。
60 アミラーゼ高値で異常が疑われるのはどれか。

1.肺 2.胃 3.肝臓 4.胆嚢 5.膵臓

解 5

アミラーゼは、食物から摂取したデンプンを糖に分解する消化酵素で、主に膵臓と唾液腺から分泌されています。

通常アミラーゼは唾液や膵液中に分泌されていますが、血液中にはわずかにしか存在していません。

しかし唾液腺や膵臓が何らかの障害をうけると、血液中にアミラーゼが流出するために血中で高値となります。

61 昇圧物質を分泌する腫瘍が発生する臓器はどれか。

1.下垂体後葉 2.膵臓 3.精巣 4.副甲状腺 5.副腎

解 5

いずれ内分泌関連については、まとめようと考えています。

下垂体後葉 下垂体腺腫が考えられます。後葉なので、尿崩症と関連がありそうです。

膵臓 膵内分泌腫瘍は、産生するホルモンが多くあるため、考えられる内分泌腫瘍も多いです(インスリノーマ、グルカゴノーマ、ソマトスタチノーマなど)。よって、この問いだけでは予測できないと思われます。ただし、膵臓は血糖と関連するホルモンが分泌されていますので、血圧とは関連がないということで消去したい選択肢です。

精巣 内分泌腫瘍は、○○ノーマという名前が多いです。よってセミノーマを想像するのではないでしょうか?セミノーマは、無痛性陰嚢腫大が特徴です。

副甲状腺 副甲状腺の腫瘍の約8割程度は、腺腫になります。腺腫では、副甲状腺ホルモン(パラトルモン?パラソルモン?)の産生が増加し、高Ca・低P血症、消化器症状、骨病変など多彩な症状が現れそうです。

副腎 副腎髄質に発生する褐色細胞腫があります。褐色細胞腫は、カテコールアミン産生腫瘍です。主な症状は、高血圧、頭痛、代謝亢進、高血糖、多汗です。

62 癌の発生部位と最も頻度の高い組織型の組合せで正しいのはどれか。

1.上咽頭   腺 癌
2.中咽頭   粘表皮癌
3.下咽頭   扁平上皮癌
4.耳下腺   小細胞癌
5.甲状腺   腺様嚢胞癌

解 3

癌と組織についても、数が多いので徐々に追記していこうと思います。

咽頭癌については、大垣市民病院さんのHPを勝手に参照しました。

1.上咽頭 扁平上皮癌と大部分を占める未分化癌に分類され、まれに腺癌。

2.中咽頭 約9割以上は扁平上皮癌。

3.下咽頭 ほとんどが扁平上皮癌。

4.耳下腺 多くの組織型や亜型があるそうです。

5.甲状腺 約9割が、乳頭癌だそうです。

63 経動脈カテーテル治療の適応とならないのはどれか。

1.胃癌 2.急性膵炎 3.肝細胞癌 4.外傷性骨盤出血 5.下肢動脈閉塞症

解 1

私は経験したことがありませんが、急性膵炎の重症例ではIVRの適応となることもあるそうです。膵の栄養動脈に対して、高濃度の薬剤を注入するそうです。

肝細胞癌にはTACE、外傷性骨盤出血は止血目的で、下肢動脈閉塞症はPTA目的でIVRが適応されます。