第66回 診療放射線技師 国家試験 CTMRI 前半の解説を作成しました。
後半も11問です、良ければ参考にして下さい。
34 CHESS法による脂肪抑制MRIで誤っているのはどれか。
1.低磁場装置に適している。
2.選択的脂肪抑制パルスを付加する。
3.水と脂肪のケミカルシフトを利用する。
4.脂肪抑制効果は静磁場の均一性に依存する。
5.FOV が大きいと効果が不均一になりやすい。
1
CHESS法は、水と脂肪のケミカルシフトの差3,5ppmを利用します。この差に静磁場強度をかけることで、共鳴周波数の差が発生します。つまり高磁場装置の方が水と脂肪の共鳴周波数を分離しやすくなります。
逆に低磁場装置だと水と脂肪の共鳴周波数を分離出来なくなります。私は使用経験がありませんが、0,3T等だとCHESS法は使用できないためSTIRの1択になるそうです。
MRの脂肪抑制についても参考にしてみて下さい。
35 MRI造影剤で経口投与するのはどれか。2つ選べ。
1.Gd – DTPA 2.Gd – EOB – DTPA 3.塩化マンガン四水和物 4.クエン酸鉄アンモニウム 5.超常磁性酸化鉄コロイド製剤
3,4
MRの造影剤についてを参考にして下さい。
36 ファンクショナルMRIで正しいのはどれか。
1.造影剤を使用する。
2.データ取得に SE 法を用いる。
3.データ処理に最大値投影法を用いる。
4.運動野を描出するために光刺激を行う。
5.脳の活動に伴う血流変化を画像化している。
40 頭部MRA正面像No.2を示す。 矢印で示す脳動脈瘤が存在するのはどれか。
1.椎骨動脈 2.内頸動脈 3.脳底動脈 4.前大脳動脈 5.中大脳動脈

41 突然の左片麻痺患者の頭部MR像No.3を示す。病変が局在するのはどれか。
1.橋 2.視 床 3.基底核 4.小脳虫部 5.視床下部

1
橋に信号変化を認めます。T2Wで高信号になっていることから、少し時間が経過しているものと思われます。細胞性浮腫から血管性浮腫に移行している状態で、亜急性期と思われます。
42 頸部痛患者のMR像No.4を示す。 椎間板病変はどのレベルにあるか。
1.C 2/3 2.C 3/4 3.C 4/5 4.C 5/6 5.C 6/7

4
正中(左図)からやや少し左右にずれて(右図)病変があります。
※病変が右か左かはこの画像のみでは判断が困難です。

43 肩関節のMR像No.5を示す。 矢印で示す筋肉はどれか。
1.棘上筋 2.棘下筋 3.大胸筋 4.肩甲下筋 5.上腕二頭筋

1
棘上筋は覚えておくと臨床でも役に立つと思います。
44 膝関節のMR像No.6を示す。 矢印で示す病変はどれか。
1.円盤状半月損傷
2.内側半月板前角損傷
3.内側半月板後角損傷
4.外側半月板前角損傷
5.外側半月板後角損傷

3
左図の冠状断で矢印は、内側半月板を示しています。2or3
右図の矢状断で矢印は、背側を示しています。3or5
この2つの画像より、3に絞れると思います。
補足ですが、円板状半月板は先天的に半月板が円板状のことを言います(通常は三日月状)。外側に好発し、正常の半月板よりも損傷しやすい特徴があります。
臨床でも比較的に良く遭遇すると思いますので、覚えておくと良いと思います。
45 頭部MR像No.7を示す。 描出されているのはどれか。 2 つ選べ。
1.下咽頭 2.前頭洞 3.側脳室 4.内耳道 5.乳突蜂巣

4,5
左上顎洞の腫瘍性病変が目立ちますが、問題とは関係ないようです。
46 骨盤部MR像No.8を示す。 正しい組合せはどれか。 2 つ選べ。
1.ア――椎 体
2.イ――子宮体部
3.ウ――直 腸
4.エ――Douglas〈ダグラス〉窩
5.オ――膀 胱

2,3
ア 椎間板、イ 子宮体部、ウ 直腸、エ 膀胱、オ 恥骨(で良いと思います。)
47 頸部MRA像No.9を示す。 正しい組合せはどれか。
1.ア ―― 内頸動脈
2.イ ―― 外頸動脈
3.ウ ―― 総頸動脈
4.エ ―― 後大脳動脈
5.オ ―― 椎骨動脈

3
ア 右椎骨動脈、イ 左鎖骨下動脈、ウ 左総頸動脈、エ 左外頸動脈、オ 右内頸動脈