診療放射線技師を目指す学生や若手技師に少し役立つ情報を提供します。
国試関連 PR

第65回 CTMRI 後半

第65回 診療放射線技師 国家試験 CTMRI 後半 の解説を作成しました。

後半は10問です。良ければ参考にして下さい。

65回は私が受けた回ですが、画像問題が急に増えた記憶です。

32 T2 強調像で最も高信号を呈するのはどれか。

1.脂 肪 2.心 筋 3.肝 臓 4.脳白質 5.脳脊髄液

5

T2Wは、水が高信号になるので脳脊髄液が最も高信号で良いと思います。

脂肪について、64回PM35の解答を一部使用します。TEを25〜100ms程度に設定すると、Jカップリングの影響により脂肪信号が低下します。つまりSE法のT2Wで脂肪信号はやや低下します。※参考図書 秀潤社,決定版 MRI 完全解説 第2版

33 頸椎 MRI の T2 強調矢状断像で脳脊髄液の流れに起因するアーチファクトを軽減するのはどれか。

1.FOV を小さくする。
2.脂肪抑制法を用いる。
3.呼吸同期法を用いる。
4.ボクセルサイズを大きくする。
5.位相エンコード方向を頭尾方向にする。

5

頸椎サジタルを撮像する場合をイメージして下さい。通常は撮像時間をするために頭尾方向を周波数で、前後方向を位相エンコードします。

しかしこの場合呼吸によるモーションがアーチファクトとして現れやすいです。そのような場合は、エンコード方向を変えます。このことをスワップすると言います。

この問題はそれが解答となっています。※そうした場合は折り返しアーチファクトなどに気を付けます。

34 MRI の脂肪抑制法はどれか。

1.DTI 2.DWI 3.MTC 4.STIR  5.FLAIR

4

MRIの脂肪抑制についてを参考にして下さい。

35 MRI の安全性で正しいのはどれか。

1.発熱の評価には dB/dt を使用する。
2.人工内耳装着者の検査は禁忌である。
3.小さなサイズの強磁性体は検査室に持ち込んでもよい。
4.3.0 T 装置では第二水準管理操作モードの基準が適応される。
5.カラーコンタクトレンズは装着したまま検査しても問題はない。

2

1.発熱の評価には SARが使用されます。
3.小さければ良いというわけではないと思います。
4.3Tは通常操作モードの基準が適応されます。(通常操作モード 静磁場強度B0≦3T)
5.カラーコンタクトレンズは火傷を負ってしまう可能性があるので、外して検査をすると思います。

MRIの安全性についてを参考にして下さい。

39 突然左片麻痺を発症した患者の MRA 像(前後投影像)と MR 像(拡散強調像)No. 3を示す。閉塞している動脈はどれか。

1.脳底動脈
2.椎骨動脈
3.内頸動脈
4.前大脳動脈
5.中大脳動脈

5

MIP画像にて、右中大脳動脈の起始部で連続性が途絶えています。拡散強調画像では、右被殻周囲に信号変化を認めます。

(この情報だけでは判断できませんが)臨床では急性期脳梗塞、血栓回収の適応になりそうな印象です。

40 高速スピンエコー法による頭部 MRI T2 強調像No. 4を示す。 中大脳動脈内が低信号に描出される理由はどれか。

1.位相分散
2.ブラーリング
3.インフロー効果
4.ミスレジストレーション
5.トランケーションアーチファクト

1

MRAについて TOF法とPC法から抜粋します。

流れているものが低信号となる原因は、以下のようなものがあります。

低信号になる原因

  • 高速度信号損失
  • スピン位相効果
  • 乱流・渦流
  • 空間飽和・反転パルス
  • 飽和効果
41 脊椎の MR 像No. 5Aを示す。 位置決め像の断面で得られる画像No. 5Bはどれか。

1.ア  2.イ  3.ウ  4.エ  5.オ

4

Aの画像から、水平断はC2レベルと判断できます。C2は歯突起が特徴的です。

42 MR 像No. 6(A、B、C、D)を示す。 正しいのはどれか。2つ選べ。

1.A は FLAIR 像である。
2.B は T1 強調像である。
3.C は T2 強調像である。
4.D は拡散強調像である。
5.D は造影後の像である。

1,5

A:FLAIR、B:T2W、C:T1W、D:造影T1W

43 頸部の MR 像No. 7を示す。 正しいのはどれか。2つ選べ。

1.アは橋である。
2.イは隆椎である。
3.ウは頸髄である。
4.エは椎体静脈である。
5.オは髄核である。

4,5

ア 延髄、イ 歯突起、ウ 後縦靭帯?クモ膜下腔?

47 同一腫瘍の超音波画像(No. 11A)と MR 像(No. 11B)を示す。 矢印の腫瘤の主成分はどれか。

1.水 2.血 液 3.脂 肪 4.線 維 5.カルシウム

3

超音波画像は載せてません。MRI画像のみで判断出来ると思ったからです。

水と脂肪が混在している場合、opposed phase画像でケミカルシフトとなります。

ケミカルシフトについてにも記載してます。