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第65回 CTMRI 前半

第65回 診療放射線技師 国家試験 CTMRI 前半 の解説を作成しました。

前半ということで10問です。良ければ参考にして下さい。

17 歯科用コーンビーム CT 装置で正しいのはどれか。

1.ヘリカルスキャンを用いる。
2.高速に回転して撮影できる。
3.視野サイズが変更できない。
4.幾何学的ひずみ補正の必要がない。
5.検出器に I.I.と CCD の組合せを用いる。

5

詳しくないので、割愛させて下さい。

18 X 線 CT 装置に関する組合せで正しいのはどれか。

1.DAS  DA変換
2.X 線管  固定陽極
3.X 線検出器 フラットパネル型
4.走査ガントリ チルト機構
5.X 線高電圧発生装置 自己整流方式

4

1.DAS  AD変換
2.X 線管  回転陽極
3.X 線検出器 シンチレータ+フォトダイオード
5.X 線高電圧発生装置 インバータ方式

19 単列検出器のヘリカル CT 装置で、ビームコリメーション 10 mm、ヘリカルピ ッチ2で撮影する場合、ガントリ1回転あたりのテーブル移動距離[mm]はどれか。

1. 0.2 2. 5  3. 8  4.12  5.20

5

ビームピッチの公式については、ヘリカルCTについてを参照して下さい。

ビームピッチ = 1回転あたりの寝台移動距離/ビーム幅

2 = x / 10[mm]

x=20[mm]

20 X 線 CT 装置の点検項目でないのはどれか。

1.CTDI 2.ノイズ 3.空間分解能 4.時間分解能  5.低コントラスト分解能

4

CTの受入試験や不変性試験の知識が先行してしまいそうです。しかしその前に、CT装置の精度管理(性能評価)という概念が必要です。以下はCT super basic 第1版を参考にしてます。

CT装置の精度管理は、CT装置が性能を発揮できているかを定期的に確認することです。評価項目の中のいくつかは、JISにて不変性試験の項目としても設定されています。以下に不変性試験の項目に出てこない単語のみを記載しておきます。

  • 低コントラスト検出能
  • 被ばく線量
  • アーチファクト
  • CT値の線形性

不変性試験の項目は、日常点検や点検項目などを参考にして下さい。

21 MRI で SAR の低減に有効なのはどれか。

1.TR を短縮する。
2.TE を短縮する。
3.スライス枚数を増やす。
4.RF パルス幅を狭くする。
5.フリップ角を小さくする。

5

MRIのSARについてを参考にして下さい。

22 MRI 撮影中にクエンチングが発生し、検査室のドアが開かなくなった。 適切な対応はどれか。

1.検査室の窓ガラスを割る。
2.消防車の出動を要請する。
3.装置の緊急停止ボタンを押す。
4.検査室内の空調のスイッチを切る。
5.患者にハンカチや衣類を口にあてて呼吸するように伝える。

1

検査室に気化したヘリウムガスが充満していることが予想されます。操作室から扉を押して入るような扉の場合は、扉を押しても開きません。よって窓ガラスを割らなくては中に入れない状況と思われます。患者さんを速やかに室外へ退避させることが重要です。

クエンチについては、MRIのコイルについてを参考にして下さい。

23 MRI 装置のコイルNo. 1を示す。 これを用いて有効な検査ができるのはどれか。

1.脳梗塞 2.肝細胞癌 3.前立腺癌 4.腎細胞癌 5.月状骨壊死

5

表面コイルで良いと思います。MRIのコイルについても参考にして下さい。

29 MRI が CT よりも検出感度が高いのはどれか。2つ選べ。

1.肺腺癌 2.尿路結石 3.子宮頸癌 4.くも膜下出血  5.前十字靱帯損傷

3,5

解説については、割愛します。

補足として臨床ではCTで確信を持てないときに、MRIを撮像することもあります。T2*が有用になる時もあります。

30 肝細胞癌患者の同一断面の MR 像No. 2を示す。 使用した造影剤はどれか。

1.塩化マンガン四水和物液
2.フェルカルボトラン注射液
3.クエン酸鉄アンモニウム散剤
4.ガドペンテト酸ジメグルミン<Gd-DTPA>
5.ガドキセト酸ナトリウム<Gd-EOB-DTPA>

5

アプローチ方法はいくつかあると思いますので、以下の複数要素から解答に結びつけられればOKだと思います。

  • まず肝臓の検査 = EOB or SPIO(リゾビスト)になると思います。

画像は肝右葉に病変があり、正常肝や病変のコントラストから造影剤を求めていきます。

  • 造影15分後 = 肝細胞相 = EOBとなります。
  • 正常肝(高信号)、病変(低信号)であることから、ガドキセト酸ナトリウム<Gd-EOB-DTPA>が解になります。

フェルカルボトラン注射液は、SPIOになりますのでコントラストは反対になります。

ガドペンテト酸ジメグルミン<Gd-DTPA>は、肝臓に特異的に取り込まれるわけではありません。

MRIの造影剤についても参考にして下さい。

31 MRI で熱傷の原因となるのはどれか。

1.静磁場 2.クエンチ 3.変動磁場 4.高周波パルス 5.コイルのひずみ

4

MRIの安全性についてMRIのSARについてを参考にして下さい。