第64回 診療放射線技師国家試験 CTMRI 前半の解説を作成しました。
前半は10問の解説です、良ければ参考にして下さい。
19 CT 値で正しいのはどれか。
1.脂肪は0HU である。
2.甲状腺よりも肝臓が高い。
3.空気はー1000 HU である。
4.骨皮質は+1000 HU である。
5.被写体による線質硬化に差があっても変化しない。
3
4は△な印象ですが、CT値とウィンドウ機能についてを参考にして下さい。
20 成人患者の胸部から骨盤部の範囲を、スライス厚5mm、スライス間隔5mm として、総撮影時間5秒間で CT 撮影したい。撮影方法で適切なのはどれか。
1.多検出器で寝台固定
2.単検出器で連続寝台移動
3.多検出器で連続寝台移動
4.単検出器で間欠寝台移動
5.多検出器で間欠寝台移動
3
広範囲を一度に短時間で撮影したいということで、マルチスライスのヘリカルCTで良いと思います。
21 MRI 装置の安全性に関して JIS 規格で上限値が定められているのはどれか。 2つ選べ。
1.TR
2.SAR
3.加算回数
4.位相エンコード数
5.傾斜磁場出力<dB/dt>
2,5
参考図書 MRIの安全性の考え方 第3版、日本磁気共鳴医学会 安全性評価委員会 監修、2021年
MRIの安全規格については、IECが公表したものをJISが改訂し採用されています。詳細は割愛しますが、静磁場強度・高周波磁場・傾斜磁場・騒音について採用されています。
各項目と関連する用語として、高周波磁場がSAR・傾斜磁場がdB/dtを選択すれば良いと思います。
22 MR像のSN比を上昇させるのはどれか。
1.加算回数を減らす。
2.低磁場装置を使用する。
3.空間分解能を高くする。
4.受信周波数帯域を狭くする。
5.SENSE<sensitivity encoding>を使用する。
4
MRI SNRについてを参考にして下さい。
27 JIS Z 4752 の「医用画像部門における品質維持の評価及び日常試験方法」に定められている試験項目はどれか。2つ選べ。
1.受入試験
2.定期試験
3.引渡試験
4.恒常性試験
5.不変性試験
1,5
日常点検や点検項目についてを参考にして下さい。
29 MRI のアーチファクトとその抑制法の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.磁化率 TEの延長
2.折り返し TRの延長
3.ケミカルシフト 受信周波数帯域幅の拡大
4.トランケーション マトリックス数の増加
5.ミスレジストレーション 読み取り時間の延長
30 MRI が X 線 CT よりも診断に有用なのはどれか。2つ選べ。
1.半月板損傷
2.急性虫垂炎
3.消化管穿孔
4.椎間板ヘルニア
5.急性くも膜下出血
1,4
解説は割愛させて頂きます。
31 磁化率効果による位相分散の大きさの順序で正しいのはどれか。
1.EPI > FSE > SE > GRE
2.EPI > GRE > SE > FSE
3.EPI > GRE > FSE > SE
4.GRE > EPI > SE > FSE
5.GRE > EPI > FSE > SE
2
NEW MRIのアーチファクトについてを参考にして下さい。
32 MR 像と得られる情報の組合せで正しいのはどれか。
1.diffusion MRI 組織灌流血液量
2.perfusion MRI 水分子拡散
3.functional MRI リン脂質代謝
4.磁化率強調画像 小出血巣
5.拡散テンソル画像 血管の三次元解剖
4
特殊なMRIについてを参考にして下さい。
33 頭部 MR 矢状断像No. 1を示す。 このアーチファクトを除去する方法はどれか。
1.加算回数を増やす。
2.位相エンコード数を増やす。
3.受信周波数帯域を拡大する。
4.被検者の体表金属を除去する。
5.検査室の電波シールドを修繕する。

2
画像は、折り返しアーチファクトになります。位相エンコード数を増やすということは、FOV内のマトリックスを増やすのではなく、オーバーサンプリングを行うという解釈で良いと思います。
NEW MRIのアーチファクトについてを参考にして下さい。