第63回 診療放射線技師国家試験 CTMRI 前半の解説を作成しました。
前半ということで10題です、良かったら参考にして下さい。
Contents
15 X線CTで体軸方向の空間分解能に影響するのはどれか。
1.検出器感度
2.X線管電流
3.スキャン時間
4.ヘリカルピッチ
5.表示ピクセルサイズ
解 4
この問題は難しいと思います。ヘリカルピッチを上げるとSSPの裾野が広がり、半値幅が広くなり、実効スライス厚が大きくなるイメージで良いかと思います。違ったら教えて下さい。
CTの空間分解能についてを参考にしてください。
16 マルチスライスCTと関連するのはどれか。
1.CCD
2.DAS
3.DSA
4.PMT Photomultiplier tube 光電子増倍管
5.TOF
解 2
マルチスライスCTについて、ヘリカルCTについてに少し追記しました。
17 JISのX線CT性能評価の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.雑音 コイン
2.スライス厚 水
3.空間分解能 ステンレス銅線
4.CT線量指数 メタクリル樹脂
5.患者支持器の位置精度 X線ビーム
解 3,4
別途議事作成予定です。
19 1,5T装置でプロトンのラーモア周波数[MHz]はどれか。
1.42,6 2.56,8 3.63,9 4.85,2 5.127,8
解 3
プロトン1Hの共鳴周波数は、次のようになります。
- γ = 267.4 × 10^6
[rad]なので[Hz]にしたいので、2πで割ります。
- γ / 2π = 42.6[MHz/T]
ラーモア周波数に関連する式に代入して、求めることになります。
ω = γ × B0 = 2πν
ω:共鳴角周波数[rad/s]、γ:磁気回転比[rad/(T/s)]、B0:静磁場強度[T]、ν:共鳴周波数[Hz]
求めたい共鳴周波数 = γ × B0 = 42.6[MHz/T] × 1,5[T] = 63,9[MHz]
途中式は覚えなくて良いので、これだけ覚えましょう!
[T]で求めたい共鳴周波数 = 42.6[MHz/T] × 静磁場強度[T]
20 3T MTI装置で理論値が1,5Tの2倍となるのはどれか。
1.SN比
2.消費電力
3.Gd-DTPAのT1緩和度
4.使用するラジオ波の波長
5.主磁石中心から5ガウスラインまでの距離
解 1
1.MRI SNRについてを参考にして下さい。
2.超伝導状態に電流を流すので、ほぼ0と考えて良いと思います。
3.有意差はなしと言われております。バイエル薬品さんのHP>物理化学的性質より
4.ラジオ波の波長は、静磁場強度に反比例します。
5.静磁場強度に関係なく、4,5mと言われております。
土橋 俊男,3T MRIの吸着事故を防ごう,INNERVISION(27.9)2012,p66
下の表は参考までに載せておきます。

参考図書
- 金原出版株式会社,MR・超音波・眼底 基礎知識図解ノート ※私が所有しているのは第1版ですが、最新は第2版です。
21 診療に用いられるプロトンMRスペクトロスコピーで最も適した静磁場強度[T]はどれか。
1.0,4 2.0,5 3.1,0 4.1,5 5.3,0
解 5
MRSはケミカルシフトを用いますので、高磁場装置を用いた方が各核種を分離しやすくなると思われます。
22 MRI装置で正しいのはどれか。2つ選べ。
1.シミングは静磁場の均一性を高める。
2.クエンチングは常電導磁石装置で生じる。
3.永久磁石方式では恒温対策を必要としない。
4.表面コイルのコイル面は静磁場と平行になるように置く。
5.アクティブシールドは強磁性体で漏洩磁場を遮へいする方式である。
23 汎用円型表面コイルで正しいのはどれか。
1.広範囲の撮影に適している。
2.スライス面の選択に使われる。
3.深部臓器の撮影に適している。
4.身体表層部の信号が飽和しやすい。
5.コイル径を大きくするとSN比も高くなる。
28 MRIの安全性と関係がないのはどれか。
1.騒音 2.室内温度 3.静磁場強度 4.高周波出力 5.傾斜磁場出力
解 2
MRの安全性についてを参考にして下さい。
30 磁気共鳴現象で生体から得られる信号が最も強いのはどれか。
1.1H 2.13C 3.19F 4.23Na 5.31P
解 1
1H以外の原子核の検出感度は桁違いに低いです。