第62回 診療放射線技師 国家試験 CTMRI 後半の解説を作成しました。 良ければ参考にしてください。
34 正しいのはどれか。
1.X線CTに経口造影剤は使用しない。
2.MRIは検査中の体位変換が容易である。
3.超音波検査はリアルタイムに診断できる。
4.上腹部消化管造影は術者の技量に左右されない。
5.DSAは撮影から画像観察までの待ち時間がある。
解 3
解説は割愛させて頂きます。
35 最も直線相関する組合せはどれか。
1.肝実質内の鉄密度 EPIでの肝実質の信号強度
2.GdーDTPAの血中濃度 T1強調像での血液の信号強度
3.酸化鉄造影剤の血中濃度 T2強調像での血液の信号強度
4.超音波造影剤の血中濃度 超音波での血液の輝度
5.ヨード造影剤の血中濃度 血液のCT値
解 5
直線相関という言葉の定義が難しいので、単純な関わりと勝手に解釈します。
ヨード造影剤の血中濃度 ≒ 血液のCT値 と思いますので、こちらで良いと思います。
MRIの信号強度は、プロトン密度、T1値、T2値など多くの要素が関係します。よって直線相関ではないと判断するのが良いと思われます。 超音波には詳しくないので、4については割愛させて下さい。
36 MRIのアーチファクトで正しいのはどれか。
1.EPIは化学シフトアーチファクトが周波数方向に出現する。
2.磁化率アーチファクトは読み取り時間を延長することで軽減される。
3.打ち切りアーチファクトは撮影マトリクス数が増加した場合に生じる。
4.折り返しアーチファクトの抑制にはオーバーサンプリングが効果的である。
5.脂肪抑制法はミスレジストレーションアーチファクトの抑制に効果的である。
解 4
1.EPIは化学シフトアーチファクトが位相方向に出現します。
2.磁化率アーチファクト 読み取り時間との関係が分かりません。TEを短縮すると軽減できる時もあると思います。
3.打ち切りアーチファクトは撮影マトリクス数が減少した場合に生じます。
5.脂肪抑制法はケミカルシフトアーチファクトの抑制に効果的で良いと思います。
NEW MRI アーチファクトのまとめも参考にして下さい。
37 TOF(time of flight)MRAで血管内の信号低下として考えられるのはどれか。2つ選べ。
1.渦流 2.層流 3.乱流 4.栓流 5.定常流
解 1,3
MRAについて TOF法とPC法を参考にして下さい。
38 MRIで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.筋肉はT1強調像で高信号である。
2.脂肪はT1強調像で高信号である。
3.脳脊髄液はT1強調像で高信号である。
4.水はT2強調像で高信号である。
5.皮質骨はT2強調像で高信号である。
解 2,4
下表を参考にして下さい。

参考図書
- 金原出版株式会社,MR・超音波・眼底 基礎知識図解ノート ※私が所有しているのは第1版ですが、最新は第2版です。
- メジカルビュー社,若葉マークの画像解剖学 第3版
39 MRIで正しいのはどれか。
1.小児には造影剤が使用できない。
2.脊髄腔の抽出には造影剤を用いる。
3.冠動脈の抽出には造影剤の使用が不可欠である。
4.超常磁性体酸化鉄コロイドは細網内皮系に取り込まれる。
5.ガドリニウムキレート造影剤は肝臓のクッパー細胞に取り込まれる。
40 MRIの金属アーチファクトが軽減されるのはどれか。
1,加算回数を増やす。
2.低磁場装置を用いる。
3.受信バンド幅を狭める。
4.エコー時間を長くする。
5.グラディエントエコー法を用いる。
解 2ケミカルシフトについてを参考にして下さい。
41 MRCPで正しいのはどれか。
1.急性膵炎では禁忌である。
2.逆行性膵胆管造影後に行う。
3.強いT1強調像を使用している。
4.膵癌や胆管細胞癌を高信号に描出する。
5.完全閉塞した膵管の上流側の観察が可能である。
解 5
1.急性膵炎では禁忌である。→そのようなことはありませんが、時間がかかるためあまり行われないと思います。
2.逆行性膵胆管造影後に行う。→そのようなことはありません。
3.強いT1強調像を使用している。→heavy T2Wです。
4.膵癌や胆管細胞癌を高信号に描出する。→ざっくりですが、腫瘍系はT2Wで低信号のものが多いと思います。
42 躯幹部の三次元造影MRAで正しいのはどれか。2つ選べ。
1.撮影方向は任意である。
2.呼吸同期法を用いれば息止めの必要はない。
3.至適動脈相は造影剤の注入開始から常に一定である。
4.1回の造影で胸部から骨盤部までを連続して撮影できる。
5.造影剤投与後五分以内であれば良好な動脈像が得られる。
解 1,4
難しい問題だと思います。私の施設でもあまりやらないでの、詳しくありません。消去法でいかがでしょうか?
2.呼吸同期法を用いれば息止めの必要はない。→呼吸同期法だと撮像時間が長くかかってしまい、何相の画像かわからなくなってしまうと思います。よって息どめで短時間で撮像する必要があると思います。
3.至適動脈相は造影剤の注入開始から常に一定である。→そんなことはないです。患者さんの心機能などによって左右されると思います。
5.造影剤投与後五分以内であれば良好な動脈像が得られる。→平衡相と思われます。
48 MRIの矢状断像を示す。橋はどれか。
1.ア 視床
2.イ 中脳
3.ウ 小脳
4.エ 橋
5.オ 下垂体

解 4
解剖なので、割愛させて頂きます。