第62回 診療放射線技師 国家試験 CTMRI 前半の解説を作成しました。 良ければ参考にしてください。
17 造影CTで冠動脈を抽出するのに必須となる技術要素はどれか。2つ選べ。
1.チルト機構 2.交互回転方式 3.検出器の多列化 4.スリップリング機構
5.呼吸同期画像再構成法
解 3,4
管球を高速回転するために、スリップリングはお分かり頂けると思います。スリップリングについては、ヘリカルCTについてに記載してますので参考にしてください。
冠動脈CTの撮影には種々のガイドラインがあるそうですが、それらを考慮すると心電図同期が可能であり、検出器列数が64列以上、時間分解能が0,35[rot/s]以下が推奨されています。
参考文献や図書はネットで検索可能な慢性冠動脈疾患診断ガイドライン(2018年改訂版)を参照すればよいかと思われます。
18 X線CTで特定の回転角度の投影データが不良の場合に発生するアーチファクトはどれか。(正解は2つ)
1.リング 2.シャワー 3.ストリーク 4.コーンビーム 5.ステアステップ
解 2,3
CTのアーチファクトについてを参考にしてください。
21 MRIのphased array coilで正しいのはどれか。
1.送受信コイルである。
2.受信アンプは1つである。
3.コイルユニットは複数である。
4.ボディコイルよりも均一性が良い。
5.パラレルイメージングに適さない。
解 3
MRIのコイルについてを参考にしてください。
22 5インチRFコイルの写真を示す。撮影に適する部位はどれか。
1.脳 2.肝臓 3.脊髄 4.大動脈 5.手掌

解 5
表面コイルになります。
23 ラーモア周波数と比例関係にあるのはどれか。
1.静磁場強度 2.縦緩和時間 3.横緩和時間 4.フリップ角 5.繰り返し時間
解 1
ラーモア周波数に関連する式は、以下になります。
ω = γ × B0 = 2πν
ω:共鳴角周波数[rad/s]、γ:磁気回転比[rad/(T/s)]、B0:静磁場強度[T]、ν:共鳴周波数[Hz]
29 組合せで誤っているのはどれか。
1.MRI 電子密度
2.X線CT 線減弱係数
3.X線撮影 原子番号
4.骨塩定量 ミネラル量
5.超音波検査 音響インピーダンス
解 1
MRIはプロトン密度と関連があります。
30 断層撮影でないのはどれか。
1.MRI 2.X線CT 3.回転DSA 4.超音波検査 5.パノラマ撮影
解 3
解説が難しいので、解答のみとさせて下さい。
31 検査前日に低脂肪・低繊維の食物摂取が必要になるのはどれか。
1.無散瞳眼底写真撮影 2.腹部X線撮影 3.腹部超音波検査 4.MRCP 5.注腸造影
解 5
大腸の検査 注腸X線検査で採用される前処置 ブラウン変法の概要は以下です。
- 検査前日の食事 検査前日の3食に、専用の低残渣食(便になりにくい)を用います。
- 下剤 クエン酸マグネシウム等を少量の水(150~200ml程度)で溶かし、高張液の状態で服用します。
2単純X線については、特に前処置はなしで良いと思われます。食後の消化管のガスが目立たないようにした方がbetterでしょうか?
3,4については、胆嚢が収縮しなければ良いと思うので、1食抜けば良いと思われます。
32 CTRを算出できるのはどれか。
解 3
CTMRIではありませんが、ここに出題されておりました。CTR : Cardio-Thoracic Ratio は、心胸郭比のことです。 ネット検索でも出てきますので、詳細は割愛します。
33 乳房の画像検査で正しいのはどれか。
1.MRIで検査ができる。2.X線CTでは腹臥位で撮影する。
3.全体の検査件数は減少している。
4.50歳以上はマンモグラフィを撮影しない。
5.超音波検査はマンモグラフィよりも微細石灰化像の抽出に優れている。
解 1
2.MRIは専用コイルがありますので、腹臥位で撮影します。
4.若い女性の方が乳腺密度が高いので、マンモは撮影しないで良いと思います。
5.マンモグラフィは微細石灰化像の抽出に優れています。